12月7日に開幕したバレーボールV・プレミアリーグ「FC東京」で活躍する 福田誉(ほまれ)さん 本郷台在勤 34歳
「日本一」掴むまでは
○…12月7日に開幕した日本バレーボール界の最高峰「V・プレミアリーグ」。3月まで続く8チームでの総当たり戦を戦い、4月の優勝決定戦を目指す。FC東京は昨季7位と苦しんだが、「個々の力では他のチームに劣るところがあるが、組織力で十分戦える。それがチームスポーツの醍醐味」。ボールを拾う守備の要「リベロ」としてチームを支えるベテランは、気力体力ともに充実している。
○…FC東京は「仕事とバレーの両立」をモットーに掲げる。トップリーグで戦うアスリートも、コートを離れれば東京ガスライフバル横浜戸塚の本郷台店で働く一会社員だ。4月からは店長として、ガス機器の営業販売やメンテナンスのため各家庭を回りながら、店をまとめている。シーズン中は、土日に試合、平日は仕事と午後からの練習で休みはない。「店長なのに、半日しか店に居ないんですよ」。申し訳なさそうに笑顔で明かす。
○…和歌山県出身。中学でバレーを始めてから、高校、大学とキャプテンも務めてきた。身長181cmはバレーボール選手としては大きくないが、ジャンプ力を武器に、攻撃の要「アタッカー」として、22歳で入団した現チームでも下部リーグ(当時)ながら新人王やMVPを獲得する活躍を見せてきた。だが4年前、アタッカーの宿命ともいえる膝の故障で戦線を離れ、年齢的にも引退がよぎった。コートに立つことを選んだのは、家族や上司などの応援、そして「まだこのチームで大きな結果が残せていないから。やっぱり『日本一』というタイトルがほしい」という思いだった。
○…復帰後は華やかなポジションから、体を張ったプレーを求められるリベロに。「数字には表れないけど、試合の鍵をにぎるポジション」。年齢は重ねたが、体力測定では未だにチーム1のジャンプ力と瞬発力を誇り、体力に衰えはない。頂点を見据える目は穏やかだが揺るがない。