南極大陸以外の全大陸でフルマラソンを完走した 松本 寿吉郎さん 飯島町在住 79歳
マイペースで全大陸走破
○…南アフリカ共和国で9月21日に行われたケープタウンマラソンへ出場して、見事にフルマラソンを完走。26回目の海外マラソンへの挑戦で、南極大陸以外の全大陸でフルマラソンを完走する偉業を成し遂げた。「ゴールが見えた時は嬉しかったね」。完走者の証であるメダルを手に、安心した表情でしみじみと話す。「大きな目標を達成できた。この次はどうしようかと思うと楽しみ」。目標の1つを達成したが、あくまで通過点に過ぎない。
○…マラソンは健康管理のために始めた。生命保険会社へ勤務していた38歳の時、体調を崩して2カ月の間入院と静養を余儀なくされた。それまでは仕事で帰りも遅く、家族との時間もあまりなかったが、入院時に妻や3人の娘が日々見舞いに来てくれたことで家族の大切さを実感。「夫として、父親として、勤め人として責任を果たすためには、まず健康管理を」。走り始めてからは大きな病気はなく、今では「自分自身がホームドクター」だ。
○…走っていればつらいこともあるというが、「走ることで心に余裕ができる。自分の身の丈を知ることができた」と語る。早く走ることができる選手への憧れはあるが決して競争はせず、自分のペースで走る。その結果、これまで出場した26回の海外マラソンではリタイヤはゼロ。全ての大会で完走メダルを掴んできた。「マラソンで得た忍耐が、仕事でも役立っている」といい、現在も中小企業診断士として働き続けている。
○…さらなる目標の1つが「88歳でのニューヨークシティマラソンの完走」。ニューヨークでの大会には、2001年に妻と参加していた。当時は同時多発テロが起きてから間もない頃で日本からの参加者はほとんどおらず、「感激した市長が涙を流して歓迎してくれた」という思い出深い大会だ。「完走できたら、ギネス記録かも」と期待は膨らむ。さらなる快挙を目指し、今日も走り続ける。