栄区地域防災拠点運営委員会で委員長を務める 毛利 勝男さん 長沼町在住 63歳
「命ある時は必ず助ける」
○…栄区内に20カ所ある地域防災拠点。小中学校などに設置され、災害時に避難場所や被災情報などの情報拠点としても重要な役割を果たす。拠点ごとに拠点長が配置され、この拠点長20人などからなる地域防災拠点を運営する組織が栄区地域防災拠点運営委員会だ。豊田小学校の地域防災拠点で拠点長を務める傍ら、委員長として地域の防災に貢献している。「訓練のための訓練では駄目」。気を引き締めて日々の訓練に臨んでいる。
○…町内会で防災を担当して約15年。防災組織図の配布や支え合いカードの作成、役員向けの夜間訓練など、さまざまな取り組みから町内の防災体制を整えてきた。「命ある時は必ず助けるという気持ちを入れて取り組まないと」と真剣に語る。豊田小学校との合同防災訓練も自身が提案した企画の1つ。「興味を持ってもらうこと、繰り返し行っていくことが大切」。先頭に立って、地域全体での防災対策を進める。
○…定年前から保護司としての活動も始めた。栄保護司会の以前の会長に誘われたことがきっかけだったが、始めた当時は「学校に行って何か話をするだけだと思っていたよ」。しかし実際はそれだけに限らず、犯罪や非行をした人たちとの面談、刑務所や少年院を出所後に社会復帰しやすいような環境調整なども行う。仕事と両立していた時は面談が土日に集中するため、休みもあまりない忙しさ。それでも「本当に悪い子は1人もいない。悪いことをせざるを得ないことが多いだけ」と熱心に相手に寄り添ってきた。
○…学校との合同防災訓練や町内でのイベント、以前にはミニバスや少年野球でもコーチを務めていたこともあって、子どもたちと触れ合う機会も多い。訓練での取り組みから「会うと敬礼をしてくれる子もいるんだよ」と話し、頬を緩める。これからも地域を見守り、安全・安心なまちを目指して奔走する。