横浜市内で最も高齢化率の高い栄区。高齢者の増加によって認知症の患者数も増加することが見込まれることから、桂台地域では1月24日、認知症で徘徊する人への声かけなどを行う「認知症徘徊模擬訓練」を実施した。
今回の訓練は、これまでに認知症についての勉強会を何度か行ってきたN(認知症)サポーターネットワーク桂台(谷朋子代表)が主催。湘南桂台自治会やグループ桂台、桂山クラブ、桂台地域ケアプラザの協力で行われ、当日は約60人の参加者が集まった。
栄区が発行した「2014年データでみる栄区」によると、桂台地域の高齢化率は区内でも高く、桂台南一・二丁目では5割を超えている。こうした地域の状況を踏まえて、地域ぐるみで認知症徘徊者の安全確保と事故防止につなげることで安心して暮らせるまちを目指そうと、今回の訓練が初めて企画された。
まずは講師の小菅ケ谷地域ケアプラザで認知症に対応する西尾美和さんが、認知症の症状や声かけの注意点などを解説。西尾さんは「私たちから見ると”徘徊”かもしれないが、本人は目的があるから歩いている。まずは声をかける勇気が必要」と伝えた。
屋外での訓練では4人の徘徊者役が桂台地域ケアプラザ周辺の指定された地域内を歩き回り、事前に4人の特徴を伝えられた参加者たちが7つのグループに分かれて徘徊者役を30分間捜索した。しかし実際に徘徊者役らしき人を見つけても、声をかけることをためらう人も多く見られた。それでも参加者らは少しずつ横について歩きながら、優しく声をかけて対応。徘徊者役だと分かると、同ケアプラザに残った担当者へ報告し、訓練を終えた。
訓練後には反省会を行い、実際に取り組んでみて思ったことを共有。参加者からは「(その人が認知症か)分からないから、声をかけづらかった」という意見が多く上がっていた。
谷代表は「(実際に遭遇したら)今日のポイントを心に置いて優しく声をかける必要がある」と話し、「こんなに多くの人が参加してくれて感謝している。いろんな意見を頂いて、今後もさまざまな形で訓練を行っていければ」と今後の訓練にも意欲を見せた。
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