神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
栄区版 公開:2015年6月18日 エリアトップへ

上郷猿田地区 市が容認 開発へ舵 東急建設の都市計画提案

社会

公開:2015年6月18日

  • LINE
  • hatena
上郷猿田地区の開発予定地
上郷猿田地区の開発予定地

 横浜市は6月8日、東急建設(株)が栄区上郷猿田地区の開発を目的に提出していた都市計画提案について、修正の上、改めて市の都市計画案として手続きを進めることを決めた。開発を巡って同社など地権者と自然保護を訴える反対派が長く対立しているが、市が開発容認に舵を切ったことで、大きな転機を迎えた。

 対象となる上郷猿田地区は瀬上市民の森に隣接し、大部分が市街化調整区域。計画の約31・9haのうち、約69%となる約21・9haを特別緑地保全地区など緑地とする一方、約12・5haを市街化調整区域から市街化区域に変更し、約5・2haを低層住宅用地や沿道集合住宅用地、事務所店舗用地などとして開発する計画だ。

 市は同提案を受け、市の都市計画案として手続きを進めるか判断する都市計画提案評価委員会を開催。4回に及ぶ審議の結果、貴重となった里山景観を永続的に保全することや、舞岡上郷線の拡幅整備と沿道の開発を念頭に、地区周辺の利便性や快適性を高めつつ、地域防災を補完すること、環境にも一定の配慮がされた持続可能なまちづくりを実現しようとする計画であるなどを理由とした上で「総合的にも、地区の将来を見据えバランスに配慮した計画である」と評価。同提案では市街化調整区域を市街化区域に変更する部分に舞岡上郷線の東側一部を含んでいたが、市は東側全域について、現状の市街化調整区域のままとすることなど一部修正した上で、市の都市計画案として手続きを進めることを決定した。

 今後、市は素案を15年度内に作成。縦覧、公聴会などを実施した上で、学識経験者や市会議員らで構成する都市計画審議会(都計審)で計画の可否を最終的に決める。市は市街化調整区域と市街化区域の区域区分(線引き)の見直し決定権限が神奈川県から移譲されたため、今回の計画と全市的な線引き見直しを同時に進めるとしており、そのスケジュールを考慮すると都計審は16年度末から17年度初めに行われる見通しだ。

「評価書はこじつけ」

 同地区の全面保全を訴えていたNPO法人「ホタルのふるさと瀬上沢基金」(角田東一理事長)は市の判断に落胆を隠さない。制度上、都計審が都市計画案を否決することは有り得るが、今回のようなケースで否決された事例は過去にない。

 角田理事長は評価委員会について「こじつけて容認した印象」と語り、「評価書の中で挙げられている横浜市都市計画マスタープラン栄区プランは04年に決定したもので、人口減を予想していない。13年に作成された市都市計画マスタープラン全体構想の中で示されている『人口減少分に応じた市街地の縮退が必要』という考え方に従うべきだ」と話し、「人口減少傾向の中で緑地を宅地化する必要があるのか。もしこのまま開発が決まれば、市民の将来に禍根を残す」と訴える。角田理事長は「計画が白紙となる可能性がなくなったわけではない」と話し、引き続き活動していくという。

 一方、同社は「今後とも周辺住民の皆さまや市民団体および専門家の方々と連携しながら、計画の実現に向けた各段階において十分に調整しつつ、地域の魅力を高めるまちづくりを進めてまいります」としている。

栄区版のトップニュース最新6

全校開始も、喫食率0.9%

ハマ弁

全校開始も、喫食率0.9% 教育

依然、完全給食求める声も

2月23日号

新大船商店街で初の朝市

新大船商店街で初の朝市 経済

県内約30店舗が一堂に

2月23日号

一般会計実質1.3%減

市新年度予算案

一般会計実質1.3%減 政治

子育てなどに投資

2月16日号

創部4年目ながらも躍進

飯島中柔道部

創部4年目ながらも躍進 スポーツ

新人戦県大会で準優勝者も

2月16日号

旧耐震基準宅を戸別訪問

横浜市

旧耐震基準宅を戸別訪問 社会

熊本地震受け啓発強化

2月9日号

スマホの使い方考えて

スマホの使い方考えて 社会

小学生集まり初のサミット

2月9日号

あっとほーむデスク

  • 2月23日0:00更新

  • 11月3日0:00更新

  • 9月8日0:00更新

栄区版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2017年2月23日号

お問い合わせ

外部リンク