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栄区版 公開:2016年4月28日 エリアトップへ

タウンレポート 自然に直接触れて学ぶ 横浜自然観察の森30周年

社会

公開:2016年4月28日

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開園当時の自然観察センター周辺の様子(同所提供)
開園当時の自然観察センター周辺の様子(同所提供)

 全国で初めての自然観察の森として開園した「横浜自然観察の森」(上郷町)が、今年で30周年を迎えた。大都市・横浜にとって植物や生き物など自然と直接触れ合うことができる貴重な場として、学校の体験学習をはじめ、多くの市民に親しまれてきた同所。開園当時や現在の様子を取材した。

 自然観察の森は大都市近郊において自然と触れ合える自然保護教育推進の拠点を整備しようとした「自然観察の森整備事業」に基づいて計画。現在では横浜を含めて全国で10カ所が整備され、都市近郊の市民が自然に触れ合える施設として自然環境の保全や環境教育などに取り組んできた。

 その中でも「横浜自然観察の森」は栄区が誕生する少し前の1986年3月、神奈川県と環境庁(当時)の助成によって開園した。計画前にはゴルフ場の造成も予定され、樹木のない草地が多かった場所に全国初の自然観察の森として誕生。現在では子どもから大人まで、年間約4万人が利用する施設となっている。

三者協働で森育てる

 施設内には活動や情報提供の拠点となる自然観察センターが設置され、市から委託されて公益財団法人日本野鳥の会のレンジャーが常駐する。開園から2年後の88年には市民ボランティアを中心に同所友の会を設立し、現在では市内外から約120人のボランティアが所属。さらに市を加えた三者で管理や運営、さまざまなイベント企画を展開して森を育ててきた。

 開園当時は現在のように草木が生い茂ってはおらず、同センター周辺は裸地で硬い岩盤の上に薄く土がのっていて、木がなかなか育たない状況だったという。それでも今では開園当時に植えた木が10m以上にも成長し、当時と比べて樹林地の割合が高まっている。

環境とともに生き物も変化

 森が豊かになった側面もあるが、その一方で草木が生い茂ったことによって暗くなった場所もあり、明るい草地を好む草花は減少。同会レンジャーの1人である尾崎理恵さんは「木々が育つことで、生息する生き物も変わっていった」と話し、草地よりも林を好む生き物が多く生息するように変化しているという。

 また利用者も変化し、隣接する宿泊施設「上郷・森の家」の完成後は親子連れでの利用も増加。学校での体験学習も増え、多くの子どもたちに対応できるように2012年には同センターに研修室を増設するなど、施設を改良してより多くの人々が自然と触れ合える環境作りにも取り組む。

 開園時から同所を見てきた同じくレンジャーの古南幸弘さんは今後について「横浜に昔から住んでいる生き物たちを大切にし、これからも末永く暮らしていけるような自然環境を保つこと。そして水と緑を大事にしていきたいという志を持つ市民ボランティアの皆さんの拠点を提供していきたい」と話している。

明日から記念イベント

 明日4月29日(金)からは、30周年を記念したイベント「森のクイズラリー」を開催する。

 同センターで渡されるラリー帳を持って今回のために考えられたコースを歩き、コース上に設置されたクイズに挑戦。森の中で実際の植物や生き物を観察しながらクイズに答え、正解すると記念品が贈られる。

 受付時間は午前10時から午後3時まで、5月5日(木)まで行われる(2日(月)は休館)。小雨決行。事前申し込みは不要、まずは同センターで受付を。小学生以下は保護者の同伴が必要。

 問い合わせは横浜自然観察センター【電話】045・894・7474。

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