市立金沢高校落語研究部OB会は10月8日、磯子区の杉田劇場で「金沢落語会」を開催した。創部50年を記念し、同部出身の落語家・三笑亭夢丸さんと古今亭菊龍さんに加え、OB11人がおよそ40年ぶりに高座に上がり、往年の話芸を披露。会場は笑いに包まれた。
今回の落語会はOB会仲間で計画。同会会長の渡辺智紘さんは、「今年は創部50年に加え、金高創立60周年の節目の年。『機は熟した』と自分たちが高座へ上がることを決めました」と明かす。
同部は1962年、渡辺さんらの呼びかけで、10人ほどで同好会として発足。「昔からラジオで聴いたり寄席を観たりして落語が好きだったんです。高校に入って、自分がやってみようと」。翌年、部に昇格すると、当時の落語人気もあり、年々活動は活発になった。この日出演した夢丸さんや菊龍さんら、落語家として真打に登りつめたOBも輩出。まさに”落語の名門”となったが、部員数減少で1986年に廃部となった。
「でも、最近は落語を取り巻く環境は良くなっているんです」と渡辺さん。各地で行われる寄席の観客動員は年々増えているという。「この波が若い世代にも伝われば」と、落研復活を願う。
寄席観覧や毎年恒例の忘年会など、OB会の活動はいまだに活発。事務局を務めた中村由明さんは、「落語があったからこそ、仲間がつながってこれました」と感慨深げに語る。
笑顔で再演誓う
当日高座に上がった11人は、高校時代の”持ちネタ”だった噺をこの日のために練習。当時と同じ「初代弁慶C」の名で高座に上がった渡辺さんは、「やったことがあるから覚えていると思いましたが、すっかり忘れてしまって」と話したが、本番では2ヵ月の練習が結実。300人あまりの観衆の笑いを誘った。出番の後は、「落語はやっぱり難しいですね」と言いながらも笑顔。「いずれまたこうした機会があれば」と再演への意欲を語った。
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