行事と食文化をテーマにした冊子を製作している明朗塾かねさわの代表を務める 春日井 邦彦さん 大川在住 69歳
定年を機に地域デビュー
○…有名メーカーに勤め、営業畑を歩いてきたバリバリの「仕事人間」。地域デビューのきっかけは、ある新聞の募集記事だった。定年を目前に控え、にわかに湧き上がってきた新しい世界への挑戦。生涯学習のリーダーを養成するというその講座で、得がたい人々と出会う。講座終了後、その仲間たちと生涯学習グループ「明朗塾かねさわ」を発足。代表を務めることとなった。それから足かけ4年。活動の集大成ともいえる冊子「年中行事と食文化」がまもなく完成する。
○…月2回の会合に加え、地域の行事があると聞けば、メンバーを募り足を運ぶ。「その地域の人にとって僕らは”よそ者”だけど、喜んで仲間に入れてくれる」。行事にまつわる食べ物を振舞われながら、さまざまな話を聞いてきた。一番興味を引いたのは、地域の”古老”の話。「みんな少年・少女のように目を輝かせて昔を語ってくれた」。語り継いでいくためには、今聞かないと…。そうして12人の古老の貴重な話は、冊子を作る上で、なくてはならないパートになった。
○…区内に20年以上住んでいたのに、地域社会との接点がなかった自らを振り返り、「今回作った冊子で、地域ならではの面白さが少しでも伝われば」と話す。編集にあたっては、数多くの本や文献を調べた。「違う人が書くと文体が違ってしまう」と、すべての文章を1人で請け負った。170ページを超える分量にも「苦ではなかった」とさらり。「今後は行事を見に行くツアーを企画して、一般の人々にも伝えていきたい」と意気込みを見せる。
○…同グループでの活動のみならず、他の地域活動にも積極的に参加する。「男の料理」サークルもその一つ。今年3月からは市民農園を借り、そこで作ったジャガイモやトマトなどの野菜で料理をしているという。「定年になったらのんびりできるかと思っていたが、毎日忙しい」と充実した笑顔をのぞかせた。
|
<PR>