区内で活動する金沢吹奏楽団は今月、創立50周年を迎えた。同団は11月20日にチャリティーコンサートを実施し、節目を飾る。たった5人から始まった楽団は、50年の時を経て、次なる歩みを始めた。
楽団ができたのは1961年。中心になったのは上智大学2年生の国吉一夫さん(当時19・現県議会議員)だった。「地元の住民同士、音楽を通じて心の交流ができたら」と、2人の妹と友人に声をかけ、5人でスタートした。
まず困ったのは活動資金だった。リヤカーを引いての廃品回収や、氷川丸での演奏アルバイトなど、団員たちは資金づくりに奔走。中古の楽器を少しずつ購入していった。練習場所にも困り、市立金沢高校の部室を借りて活動した。そんな苦しい黎明期も、「楽しかった」と振り返る国吉さん。東京オリンピック聖火リレーの中継点となった当時の金沢区役所前で、激励の演奏をしたことが一番の思い出だという。
楽団はやがて、知名度も演奏レベルも向上し「市民バンド」として成長。今月、設立から丸50年を迎えた。
「地域と共に創る」
現在も「かなすい」の名で親しまれている楽団は、学生やサラリーマン、主婦など、多彩な25人の”音楽好き”が練習に励んでいる。「さまざまな職種の人が合奏を楽しんで、翌日へのエネルギーを充電して帰っていく。練習と運営は大変ですが、充実した週末が送れます」とメンバーの寺田早苗さん。年1回の定期演奏会はもちろん、ケアプラザや老人ホームでの演奏、各種行事への参加など、地域の楽団として精力的に活動している。
今回で10回目を迎えるチャリティーコンサートは、能見台の障がい者地域活動ホーム「りんごの森」を応援しようと立案されたもの。2002年に第1回を開催以来、「お世話になった地域の人々と共に創るコンサート」を目標に、毎年欠かさず続けてきた。これまでの寄付総額は80万円を超えたという。寺田さんは、「若い団員も年配の団員も、互いを磨きあって良い音楽を目指しています。これからも新しく楽しい演奏をお聞かせできれば」と意気込みを話した。
コンサートは20日(日)午後1時開場、1時30分開演。場所は金沢公会堂で、入場料は600円。問い合わせは同楽団【携帯電話】090・7189・5298へ。
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