区内六浦に住む高橋靖さん(81)らは3月6日から8日、宮城県石巻市を訪れ、モウソウ竹100本を地元で牡蠣(カキ)養殖業などを営む阿部正春さんに贈った。
高橋さんが「竹を被災地に届けよう」と思い立ったのは2月の初め。被災した業者が牡蠣養殖用のイカダを作るための竹を欲しがっていることをテレビで知った。相模原市緑区の竹林を父親から譲り受け所有していた高橋さんは、早速作業を開始。最初は一人手作業で切っていたが、坐骨神経痛を患ってからは仲間も手伝ってくれ、6mのモウソウ竹100本を切り出した。だが体を気遣う妻と娘は、竹を届けることを最後まで反対したという。高橋さんはそれでも「被災地を思うとやめるわけにはいかない」と自身の”届けたい”という思いを貫いた。
高橋さんは、区社会福祉協議会から紹介された嘉田進さん(六浦在住)と一緒に、レンタカーに竹を積み、夜通し走らせ石巻に着いた。目の前に広がる光景を目にし、「改めて大変なことだと思った」という高橋さん。津波被害を受け1階を修復中の阿部さん宅に一晩泊まり、翌日帰路についた。「ご馳走になった牡蠣は本当においしかった。甘くてね」―届けた竹が美味しい牡蠣を育むのもそう遠い未来ではなさそうだ。
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