キャンパスタウン金沢 4団体に決定 地域との連携を重視
金沢区と区内2つの大学(関東学院大学、横浜市立大学)が連携してまちづくりを行う「キャンパスタウン金沢」のサポート事業に、各大2団体ずつ計4団体が選ばれた。より地域に根差した活動を進めていく方針だ。
区は2008年度から「大学の活力を生かしたまちづくり」を掲げ、大学や学生の知識などを生かしたまちづくりを行う「キャンパスタウン金沢」を行ってきた。そのサポート事業として地域活動を行う学生や教員に補助金を交付している。今までに両大学合わせてのべ18団体に交付。4年目となる今年度は、学識経験者や自治会・町内会長などを交えた審査会を経て4団体が補助金交付の対象に決定した。
また、今年度からは補助金の限度額を引き上げ。区内自治体や商店街など、地域と連携して行う活動への上限が20万円から30万円に増額された。
「地域に入る」まちづくり
活動4団体のうち新規となるのは関東学院大学・中津研究会と横浜市立大学・三輪研究会。中津研究室は並木地区を中心に課題となっている高齢化に焦点をあてる。「まちを良くするためには子どもを増やすことが大切。手当てよりもお年寄りパワーが必要になる。お年寄りがいることが嬉しいまちになるよう、社会のしくみをデザインしたい」と工学部の中津秀之准教授は話す。今回は子どもと高齢者で「舟だまり」を活用した交流スペースを考えるワークショップや子育て支援に関するニーズなどについての調査を行う。
三輪研究室では今年4月に開設した「金沢区青少年の地域活動拠点」を活用し、小・中・高生を中心とした地域の多世代交流を促していく。横浜市立大学・国際総合科学部の三輪律江准教授は「地域の担い手として大切な中・高生だが、地域との関わりが希薄になりがちなのもこの世代。地元に定着するような基盤づくりが必要」と話した。また他の研究室とも連携していく予定だという。
今年3年目となる横浜市立大学・金沢研究会も新たに災害時に備えた防災マップの作成に取りかかる。関東学院大学・水沼研究室は恒例となった、旧伊藤博文金沢別邸での「ライトアップ&コンサート」に加え、新たに「伊藤邸新聞」を発行する。同大・人間環境学部の水沼淑子教授は「地域資源の魅力を地元の人に再発見してほしい」と話した。
「実際に地域に入って活性化を行う取り組みが多くなっている」と区役所区政推進課の担当者が指摘するように、明確な問題意識をもった取り組みが目立つ。課題解決に向けたより具体的な活動が期待される。
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