激しく神輿を揺さぶりながら、威勢のいい掛け声が駅前に響く。富岡八幡宮の秋季例大祭のひとコマだ。7町内会(南部・東之町・並木・シーサイドコーポ・中部・下之町・西部)の町神輿が出そろい、街中が祭りムードに包まれる。
1981年に発足した宮元若獅子会(下之町)は、富岡で最初の神輿会だ。台座2尺6寸の大神輿は、会員による手作り。それぞれ仕事を持っているため、週末や平日の夜に集まり少しずつ仕上げ、3〜4年かけて1990年に完成させた。創立メンバーの一人で、現会長の岡本政則さん(58)は「みんなで力を合わせて作ったので、思い入れがある。作ったことで会の一体感が増した」と振り返る。
一昨年、会は30周年を迎え、富岡八幡公園に河津桜を植えた。また、記念誌も制作中だという。「普段、挨拶しかしない人と仲良くなれるのが神輿会。地域社会が崩壊しつつあると言うが、祭りを介せば結束が強まる。年齢関係なく話せるつながりがある」と話す。学校では教わらない人との関わり方を地域が教える。そんな土壌が培われているという。「今後は、もう少し若い人が入りやすい雰囲気づくりをしていきたい」と岡本さん。”神輿を愛する心”を次代につなぐため、神輿を担ぎ続ける。
■富岡八幡宮秋季例大祭=9月22日(祝)、宵宮祭は午後6時から。23日(日)の湯立神楽は午前10時から。町神輿は午後2時に京急富岡駅に集合する。
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