金沢区・磯子区版 掲載号:2012年11月22日号
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小児病棟保育の記録を綴った本「蜜蜂と蕾」を出版した 井上 ま津江さん 能見台在住 81歳

小さくとも誠の道を

 ○…「時代や場所が変わっても子どもへの関わり方は変えてはいけない」と優しくも決然と話す。保育士として60年近く歩んできた経験から得た確信だ。特に病院で働いた約20年間は、多くのことを学んだ。「入院中も子どもは毎日成長する。それに合わせた心理的ケアや保育は必要」。当時は他に類を見なかった小児病棟保育。その記録をまとめた本「蜂蜜と蕾(つぼみ)」をこのほど自費出版した。

 〇…今も心に強く刻んでいることがある。「小さくとも誠の道を」―担任の女性教師が小学校卒業時に贈ってくれた言葉だ。「勉強ができない私にも目をかけてくれた憧れの先生だった」。結婚し一児の母になった後、「先生でなくても、保母さんも子どもの成長に寄り添うことが出来る」と思い立つ。時は戦後の混乱期。街にあふれる戦争孤児の姿も、背中を押した。「無理して外で働くことはないのでは」という夫を説き伏せ、国家試験に挑むことを決意。独学で勉強し、見事試験をパスする。

 〇…民間保育園で数年働いた後、横浜市に保育士として採用された。だが配属先は市民病院の小児科。「これからは病院といえども心を見守る保育士が必要」と考えた新医長が取り入れた制度だった。「びっくりしたし、何をすればいいのかまったく分からなかった」。それでも、呼び出しから衣服の着脱など出来ることは何でもやった。「親元離れている入院児の心の拠り所になれるよう、祈りながらの毎日でした」

 〇…現在は2004年に立ち上げた能見台の子育てひろば「ぴのきお」の主宰をはじめ、保育に関わる様々な活動を続けている。パソコンの先生に教えてもらいながらブログにも挑戦中だ。「日常で接する子どたちについて、書き留めています。いつか本にできたら」とにっこり。「生きている限り、何か楽しみながらやらないともったいない」。年齢を言い訳にしない前向きさに心を打たれた。
 

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