2月24日に金沢公会堂で開かれる「ファミリーコンサート」に出演するピアニスト 出口 ユミさん 六浦南在住 41歳
音楽は歴史であり文化
○…六浦西地区の保健活動推進員が中心となって開催するファミリーコンサートに携わるようになって8年。「赤ちゃんから大人までクラシックに縁のない人も気軽に楽しめるように」と、コンサート内容の企画から演奏者の出演交渉までこなし、自らもステージに立ってきた。
〇…「音楽を通して、何か地域活動のお手伝いをできれば」―。長年抱いてきた思いを実行に移すため、娘が3歳の時、同コンサートに参加。「絵本のページをめくるのと同時に音楽が出てきたら、情景を思い浮かべやすくて面白いのでは」と考え、絵本の読み聞かせと音楽を融合させた。今年のステージでは初めてモダンバレエを取り入れるなど、観客を楽しめる工夫を凝らす。「一方的に聞いてもらうだけでなく、参加できる形を意識している」と話す。
〇…ピアノを始めたのは小学1年生の時。看護士だった母親が留守がちで寂しい思いをしたことから、いつしか子どもと一緒に過ごせそうな「ピアノの先生」を目指すようになる。大学時代にスウェーデンの国立マルメ芸術学院に留学。はじめは1年の予定だったが、「ずるずる5年半いた」と笑う。留学時代はピアノ漬けの日々。腱鞘炎で半年泣いて暮らした時期を除けば、夏休みも帰国せず、朝7時から夕方までピアノの前から動かなかった。そうまでして弾き続けたのは、「ピアノが上手になりたい」という一心から。「ご飯を食べなくても音楽で満たされちゃう。今もそれは変わらないんですけど」。
〇…コンサートでは作曲家や曲の裏話を積極的に紹介する。それというのも、「音楽は歴史であり文化」という恩師の言葉があるからこそ。「背景を知ると面白さが広がると思うんです」。目標は、たくさんの人が家族で来て、最後まで寝ないで聞いてくれること。「六浦だけでなく他の地域にも広がって、自主的なコンサートが増えていけば嬉しいです」。
|
<PR>
|
<PR>