4月23日、金沢区役所の区民活動支援センターで、「戦争体験を語り継ぐ会」が開催された。当日は約20人が参加した。
この会は、2月に設立されたばかりの「八景9条の会」が主催。日中戦争に徴兵された野沢豊治さん(96)=平潟町=、中国残留孤児の笠松恵子さん(73)=同=らが、自らの戦争体験を話した。
野沢さんは、日中戦争で旧日本軍の自動車部隊の兵士として上海に上陸。軍人を輸送する役割を担った。6カ月後には北支(現・中国華北地方)に転戦。多くの死傷者を出しながらも続いた戦闘で、負傷者の救護なども行った。兵役を解かれた後、青島(チンタオ)の日系企業に就職。そのまま終戦を迎え、引揚船で帰国した。野沢さんは「戦争ではいろいろなことがあった。まずは生きていることが大切。皆さんも私より長く生きて」と呼びかけた。
笠松さんは、5歳のころ満州(現・中国東北部)で終戦を迎えた。南満州鉄道の駅で実母とはぐれ、朝鮮族の養父母に育てられた。その後、小学校教諭として働いていたが、1994年に退職。96年に養母と帰国し、区内で暮らしている。笠松さんは「戦争が終わってことしで68年。これまで戦争がなかったことが一番の幸せ」と話し、平和の尊さを訴えた。
講話のあとは、参加者が意見を交換。自身も女学校時代に戦争を体験した同会の森下玲子共同代表は、「今の状況では、昔来た道を再び歩かされるかもしれない。改めて歴史をしっかりと学び、活動に生かしたい」と話していた。
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