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野口英世細菌検査室保存会の顧問で、5月25日に長浜ホールで講演する 小暮葉満子(はまこ)さん 南区在住 79歳

公開:2013年5月16日

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逆境はねのけた憧れ

 ○…明治時代、野口英世が働いていた旧長浜検疫所細菌検査室。1997年に資料館となり、検疫所事務所を復元した「長浜ホール」と共に、市民に親しまれている。この施設を守るため、18年に及ぶ保存運動を繰り広げた。「私(わたくし)には何の才能もないのに…。手弁当で協力してくださった皆さんに、ただただ感謝です」と、控えめに笑顔を見せる。25日の講演で、その活動を振り返る。

 ○…「私にとって、野口博士は神さまのような人なんです」。戦時中にあった少女時代、買ってもらった数少ない本の中に、野口英世の伝記があった。貧しい家庭に生まれたにも関わらず、情熱を持ち続け、常に前向きに生きた英世に、強い憧れを抱いた。「いつか、野口博士に会いたい」―。夢見る少女の思いが叶うのは、一人の女性となった1979年のことだった。

 ○…家族で初めて訪れた福島・猪苗代町の野口英世記念館。生家の柱に刻んだ英世の決意文など、数々の展示物に、目が釘付けになった。「やっと会えた…」。折しも、旧長浜検疫所の取り壊しが報道されていた時期。いてもたってもいられなかった。横浜に戻るなり、立入禁止となっていた検疫所に向かい、職員を説得して見学。荒廃した検査室を目の当たりにし、こう決意した。「絶対、守らないといけない」

 ○…問題は山積していた。数々の省庁が絡む行政への対応、ボロボロの建物、保存の機運の低さ―。だが、めげることはなかった。関連省庁へ出向き次々に陳情。延べ450人のボランティアらの協力で建物を清掃・補修。展覧会や検疫所の一般公開で保存ムードを高めた。そして見事、取り壊し回避を実現。周囲への感謝を改めて口にしながら、こう振り返った。「壁を乗り越えれば、必ず先が開けていく。そしたら、苦労も吹き飛びますよ」。その凛とした表情に、逆境を克服し続けた偉人・野口英世の姿が重なって見えた。

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