長年民生・児童委員を務め、藍綬(らんじゅ)褒章を受章した 浅井 恵美子さん 六浦南在住 76歳
楽しむ心で地域に生きる
○…「私個人じゃなくて、委員一人ひとりへのご褒美ね」。先月、天皇陛下から授与された藍色に輝く記章。区内270人の民生・児童委員への褒章と考えている。「いつのまにか27年。続けてこられたのは、周囲の皆さんの手助けのおかげ」とにっこり笑う。
○…高齢者や障害者らの福祉に関するさまざまな相談・支援を行う民生委員。地域の中で信頼関係を築き、つねにアンテナを高く張っておくことが重要だ。時には、真夜中に相談の電話が鳴ることもある。「端から見れば、大変と思われがちな仕事。でも、あまり辛いと思ったことはないの」とさらり。「せっかくやってるんだから、楽しんでやらないと」。委員になりたての頃から担当している住民の中には、100歳を超えても健在という人も。「そういう方と一緒に歳を重ねていけることが、何より嬉しいですね」。委員の醍醐味を語る。
○…社交的で朗らかなイメージだが、意外にも人前に出るのはあまり好きではないそう。「とくに人前であいさつするのは一番苦手。褒章の授与式も、とっても緊張しました」と頬を赤らめる。大好きなのは縫い物や刺しゅう。洋裁学校仕込みのテクニックで、学生服をスカートにするなど、自在に糸を操る。「だって、何も考えなくてすむじゃない。もともと、体のほうが先に動く性分だから」と笑う。困っている人がいたら、考えるよりも動く。委員としての姿勢にも、それが少なからず影響しているのかもしれない。
○…今年11月で、委員としては定年を迎える。「委員がもっと活動しやすい環境づくりが必要。まずは、地域の方にもっと民生を理解してもらえれば」と希望を語る。定年後に大切にしたいのは、「家族との時間」。夫との旅行や、昨年誕生したばかりのひ孫の成長も楽しみだ。人を包み込むような暖かな眼差しはこれからも、地域を、家族を、見守っていく。
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