夕暮れ時の区内某グラウンド横。「金沢区ねこ連絡会」の藤井由紀子さんと松原順子さんのもとに、えさを待ちかねた猫たちが次々に集まってくる。藤井さんらが、地域の合意のもと飼育・管理している地域猫は約50匹。毎日のえさやりに加え、これ以上繁殖しないよう、不妊・去勢手術も順次、行ってきた。
「金沢区ねこ連絡会」は、藤井さんのような個々で活動する「ねこボランティア」の情報交換の場として、昨年夏に発足した。現在会員は約15人。それぞれが飼い主のいない猫を適正に飼育・管理し、一代限りの命をまっとうさせることを目的に活動している。主な内容は、えさやり、保護、里親探し、不妊去勢手術だ。
猫は繁殖力が強く、1年に3回出産する。「これ以上、増やさないためには、不妊・去勢手術が必要」と同会会長で、横浜市動物適正飼育推進員の松尾和子さんは話す。手術費の平均はメス2万円、オス1万5千円。市からの助成金もあるが、負担は大きい。同会は区内動物病院や一部商店などに募金箱を設置しているほか、バザーなどで経費をねん出している。昨年度はオス・メス計85匹の手術を実施した。
だが一方で、「我が家の敷地で糞尿をする」「鳴き声がうるさい」など、猫に関する住民間のトラブルは後を絶たない。「1匹をみとったとしても、すぐ新しい子猫が何匹も捨てられる。エンドレスの作業」と松尾さん。毎日のえさやりは、地域を見張る意味もあり、捨て猫への抑止効果にもなるという。松尾さんは「獣医師会、行政と力を合わせて、不幸な猫を少しでも減らしていきたい」と話している。
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