9月9日に金沢区民センターでランチタイムコンサートを行う 西本 栄美子さん 六浦在住 55歳
マンドリンで広がる縁
○…今年4月に行われたイタリアの名門・フェニーチェ歌劇場の日本公演に、マンドリン奏者として出演した。演奏と並行し、神奈川県を中心にの6カ所でマンドリン教室を開いている。9月9日には金沢区民センターで、六浦の教室の生徒とともに、ランチタイムコンサートを行う。
○…小学生の頃からクラシックに興味があった。当時来日していたオーストリアの指揮者・カラヤンを生で見たこともあり、ますます熱中。「オーケストラに参加してみたい」という夢を抱きながら、毎晩レコードを聞くほどのめりこんだ。楽団加入に必須といわれる「音大入学」を果たせず一度は諦めた夢だが、大学で出会ったマンドリンが、思わぬかたちで繋いでくれた。「音大にはマンドリン専攻がないから、音大卒じゃなくても参加のチャンスがあったんです」。在学中はマンドリンクラブの活動に夢中になり、卒業後は「東京マンドリンアンサンブル」という事務所に所属した。そしてついに、オーケストラへの参加を果たした。「夢を叶えた瞬間は忘れられません」と目を細める。
○…「繊細で小さな音を出すが、合奏すると、鳥肌が立つほどの音の渦になる」とマンドリンの魅力を饒舌に語る。ギターやヴァイオリンよりも敷居が低いが、クラシックにも、歌謡曲にもよくマッチする。だからこそ、教え甲斐もあるという。簡単でも弾ける曲を増やすことに重点を置いている。「好きな曲を弾ける喜びを、ぜひ知ってほしいんです」と語る。
○…教室では合宿や合同コンサートを随時企画している。教室を越え、生徒どうしがマンドリンを通して交流を深めていく様子を見るのが、楽しいという。80歳を超えて始めた生徒に「生きがいになりました」と言われた時は、本当に嬉しかったと振りかえる。「今は自分が演奏するよりも、教えるほうが好きかもしれません。先生が天職なんだと思います」とほほ笑む。
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