金沢区シニアクラブ連合会が危機に直面している。同連合会の推計によると平均年齢80歳以上のクラブが4年後には8割を占めるという。同連合会は「60歳代の会員増」を目指した計画をこのほど取りまとめた。
金沢区シニアクラブ連合会の理事会で決定した計画では「シニアクラブは自治会・町内会の下部組織となる」こと、「自治会・町内会員は60歳を超えた時点で自動的にシニアクラブに加入する」ことが示されている。今後4年をかけてこの仕組みづくりを進めていきたいとしている。
区内にあるシニアクラブの数は2013年4月現在81で、このうち15クラブの平均年齢が80歳以上。新規加入者が現在のペースのままと仮定した場合、4年後には66クラブ(81・5%)になるという。
平均年齢が80歳を超えることで、運営面での体力や能力、役員の担い手がいないなどの弊害が生まれる。昨年度は「代替わりができない」などの理由から区内4クラブが解散。「加入者にとっては、唯一の社会的なつながりが絶たれることもある」と同連合会の乾和夫副会長は危機感を募らせる。60歳代の加入者増は、各クラブにとって喫緊の課題だ。
一方、2年連続で加入者が40人に上るクラブもある。4年前に誕生した「並木二丁目シニアクラブコスモス10」は、平均年齢が67歳と区内で最も若い。この事実について乾副会長は「同世代であれば話題が合うから加入しやすいのではないか」と分析する。
60歳から見れば80歳は「親世代」。すでに高齢化しているクラブへは「話が合わない」ため、加入が進まないのだという。
魅力ある組織作りも
この計画はクラブごとに、173ある自治会・町内会へそれぞれアプローチし実行していく予定。すでに連合町内会の定例会で説明が行われるなど、働きかけが始まっているという。一方で「シニアクラブは任意加入の組織であるため、加入を強いるのは難しい」という意見もある。
これに並行し、同連合会は入会した60歳代のメンバーにとって魅力ある組織にする工夫も進める。「60歳代には培ってきたスキルを生かし社会貢献したいというニーズがある」と分析。来年4月のNPO法人を立ち上げを目指し、希望者に仕事やボランティアを斡旋できる機能を増やそうとしている。
「独居の高齢者も増える中で、お茶会や趣味など気軽に参加できるシニアクラブの存在はなくてはならない」と乾副会長。60歳以上自動加入とNPO法人化。ふたつの計画は、起死回生の起爆剤となるか。
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