第5回かなしん自費出版大賞(神奈川新聞主催)の表彰式が10月29日に行われ、釜利谷西在住の小熊(おぐま)早苗さんが優秀賞を受賞した。「親」そして「保健室の先生」としての経験を綴った作品についてインタビューした。
「かなしん自費出版大賞」は、神奈川新聞社出版部で製作された自費出版作品のうち、優れた作品を表彰している。地域文化の振興と自費出版活動の推進を目的に、2005年から2年に一度、行われている。
今回は2011年4月から13年3月までに製作された作品が対象。6作品が表彰され、優秀賞に小熊早苗さん(釜利谷西在住)の『「あのね」がいっぱい わたしと家族のダイヤリー』が選ばれた。
小熊さんは受賞について「出版は自分を見つめなおす機会になった。お世話になった人に感謝したい」と述べた。区内からは、来住(きし)史郎さんの『土龍特攻の悪夢と昭和のレトロ』も優秀賞に選ばれている。
子どもとのふれあい描く
小熊さんの作品のテーマは「子ども」。長女菜生さん、長男の雄飛(ゆうひ)さんが子どもの頃に書いた日記や小論文が掲載されているほか、自身が37年間の養護教員時代に欠かさず書き続けた『保健だより』の抜粋が掲載されている。
本を書こうとしたきっかけは「自分の人生の振り返り」だった。しかし、子どもたちから向けられた言葉や、子どもたちに向けた文章を見直すうち、子育てにおける「スキンシップ」の大切さを伝えたい、という思いが湧いてきたという。
養護教員として保健室にいると、ケガや病気の治療以上に、毎日が児童による「先生、あのね」という呼びかけの連続だった。明るく話しかけてくる子だけではなく、時には親にも言えない辛い相談も。言葉でなく「身体の症状」で訴えてくる児童もいた。「『あのね』は言葉に限らない。子どもに対しては五感を使い、身体全体で感じ取ることが大切だと思います。この本がその大切さを知るきっかけになってほしい」と話した。
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