金沢区昭和町に研究所を持つ独立行政法人海洋開発機構(JAMSTEC)と(株)鶴見精機(鶴見区)の共同開発で生まれた深海用無人観測機「ディープニンジャ」がこのほど、世界で初めて1年に渡り南極における海洋深層の水温や塩分観測に成功した。関係者は「今回の観測を発展させれば、温暖化による影響なども具体的に明らかになるだろう」と期待を寄せている。
「ディープニンジャ」は、深海4000mまでを無人調査できる世界初の観測機。JAMSTECは2012年12月からディープニンジャを使い南極で観測を開始。その結果、今年11月までの1年を通した海洋深層の水温、塩分観測に成功した。
地上の気候は、海洋の深層で行われる海水の循環が決めていると言われる。循環により暖かい水と冷たい水が交換され、太陽から受け取る熱の不均衡を防ぎ、私たちが生活しやすい気候を維持していると考えられているからだ。
南極周辺は、この循環が生成される場所として重要とされるエリアだったが、継続して観測できる機器がなく、これまで十分なデータが得られていなかった。
関係者ら歓喜
観測成功に鶴見製機の開発メンバーも沸いた。開発メンバーの一人、雨池健一さんは、「自然相手の観測は予想できないアクシデントも起こる難しさがある。観測データが届いた時は感動した」と振り返る。
今後もディープニンジャは、さらなる改良を重ねながら、南極で本格展開していくという。
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