10周年を迎える金沢区民活動センターの登録団体「音のかけ橋」指導者の 熊谷 米子さん 横須賀市桜が丘在住 66歳
感動を歌でつなぐ
○…自らが立ち上げ指導者を務める「音のかけ橋 童謡唱歌を楽しむ会」が、今年10周年を迎えた。17人だったメンバーは現在170人に。金沢区内のメンバーも20人程度おり、区民活動センターの登録団体でもある。「音楽を通して人と人とが繫がり、広がっている。音のかけ橋という名が、実現しているよう」と笑顔だ。6月8日には、横須賀芸術劇場で10周年記念のイベントを行う。「出演者だけではなく、来場者も含めてみんなで歌えるような工夫を盛り込みたい」と希望を語る。
○…音楽と出会ったのは小学生の頃。校長室に大きなマリンバがあった。「その音を聴いたとき、こんな素敵な音色があるのかと感動しました」――初めて「鳥肌が立つ」経験をした。「朝校門が開くのを待ち、校長室へ飛び込んでマリンバを叩く毎日を過ごしました」という。音楽への想いはその後も増すばかりで、音楽教師の専門学校に進学した。卒業後はピアノやコーラス指導など、音楽関連の仕事を続けた。
○…40代後半で、母親が脳梗塞を発症し言語障害を患った。会話はおろか、言葉も発せない状況。回復の目途が立たない状況を変えたのが『花』という唱歌だった。「母が楽しめるようにと『春のうららの』と歌いだしました。すると母が『隅田川』と、続けて歌ったんです。私の名前すら言えなかったのに」。歌中心のリハビリを続けた結果、母に「言葉」が戻ってきた。「歌の力はすごい。童謡や歌唱にのめり込んだのはそれからです」と話す。
○…指導にあたって嬉しいことは、生徒が上達していく様子を見ること。「音のかけ橋」で基礎を学び、ソロの歌唱やより高度なハーモニーを学ぼうと専門のサークルへと進んでいくメンバーもいる。「皆さんレベルが違うけれど、誰もが輝けるような授業を、週のほとんどを使って考えます。毎日大忙しです」とニッコリ笑った。
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