金沢区の名所の視点…そうだったのか! 【6】称名寺の鐘楼 文・黒沢明(金沢区在住)
除夜の鐘は108回つきますね。これは現世での煩悩や雑念をとるためと言われています。つまり鐘楼は現世にあるべきもの。
称名寺を見てみましょう。この庭園は浄土を空想し作られました。一方で鐘楼も存在します。つまり庭園内は現世と来世それぞれの場所があると思えます。
古地図によると、かつて鐘楼の位置は、仁王門を入りすぐ右側、池の手前にありました。しかし現在は池の向かい側の本堂側に移動し鎮座しています。はたして池を挟んでどちらが「現世」と言えるのでしょう?
〈あとがき〉…歴史の出来事の真実は一つ。はたしてその真実はどうやって知ることができるのでしょう。
残された古文書は、時の勝者の都合の良い内容にされていることもあります。ならば燃え尽きた灰の中を火箸でかき回す講釈は大切ですが「自分ならどのように考え動いただろう」と考えても面白いでしょう。歴史はロマンです。視点を変えれば様々なものがより面白く、「名所」に訪れたとき、素晴らしい世界が見えてくると思います。(了)
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