音楽療法を基に活動する「ひびきあい」の代表を務める 土田 博美さん 金沢町在住 78歳
受け継ぐ「助け合い精神」
〇…「介護保険を使わない、元気な高齢者を増やしていきたいんです」。音楽療法を取り入れ活動する「ひびきあい」代表のほか、神奈川県看護連盟横浜第2支部長、生け花教室の講師、災害ボランティアネットワークなど様々な団体で活躍する。10年前までは鎌倉女子大で講師を務めていたことも。「今は地域に夢中」とにっこり。後進の看護師には「リタイアして終わりではなく、地域でやれることをやって欲しいと啓発しているんです」と話す。
○…看護師を定年後、鶴見区のデイケアの顧問を務めた。そこで、キーボードの演奏に合わせ懐かしの歌を歌ったり、太鼓や鳴子を鳴らしたりする「音楽療法」に出会う。「うつむいていた人が明るくなったり、杖をついていた人が、3カ月後には杖なしで歩けるようになったり。これはスゴイと思って」。効果を目の当たりにし、地元でも広めたいと8年前に、「ひびきあい」を立ち上げた。「医学的な話も織り交ぜながら楽しくやっています。笑うことは免疫力をアップするのですごくいいんですよ」
〇…困っている人をほっておけないのは、母親譲り。食糧不足の戦時中、近所の防空壕に集まった人に芋などをふるまう母を間近でみてきた。「農家の人と仲良くなって捨ててしまう農作物をもらい、やりくりしていた」。そんな精神は静岡でコンビニを経営する娘にも。高齢者のために木のベンチを置いたり、宅配を始めたりと独自の工夫を重ねているという。「支援とは思っていない。できることをするのは当たり前です」
〇…忙しい日々の中、パワーを与えてくれるのが庭の花。草花と対話をし、命の輝きを改めて実感するという。「植物は声をかけ、手をかけると萎れていても元気になる。その姿をみて、自分も力をもらう。ギブ&テイクね」とほほ笑む。人との関わりも同じ。支え合い、声を掛け合うことでお互いが元気に過ごせる――そんな社会を願う。
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