赤井北部町内会のボランティア団体「つくしの会」は毎月1回、横浜セレモのマイクロバスを利用し、地域の高齢者を近隣のショッピングセンターに送迎する「買い物バスツアー」を実施している。山坂が多く、高齢化が進む同地区で、このツアーは好評を得ている。
「買い物ツアー」は地区内の「赤井谷第三公園」に集合後、午前10時に出発する。横浜セレモのスタッフが運転するマイクロバスでイトーヨーカドー能見台店まで移動し、正午近くまで買い物を楽しんでもらう。
参加者のほとんどは年配の女性。「みなさん、両手で持ちきれないほどの買い物をしていくんです」と話すのは、「つくしの会」の原ゆみ会長(63)だ。昨年4月に初めてツアーを実施して以降、毎月の恒例となり、現在は毎回20人前後が参加している。
山坂の多い地域
赤井北部町内会は能見堂跡の西部、小高い山の中腹部に位置する。釜利谷東小学校方面から坂を上りはじめ、300メートル程度の坂を上って団地の入り口に到着。家の多くは坂の途中にある。
「住民からは”陸の孤島”と言われている」と話すのは、バスツアーを企画した「つくしの会」の藤原ウメ前会長(78)。普段月2回のペースで、町内会館で高齢者向けの食事会を開いている。その中で「買い物に困っている」という話が挙がっていた。
同町内会は約330世帯あり、そのうち70歳以上の高齢者は約200人。「重い買い物袋を持って登ることが難しくなってきた」という声があった。「自分自身が不便さを感じていた。何か良いアイデアはないかと探していた」と振り返る。
そんな中、地域住民へマイクロバスの貸し出しを行っている横浜セレモ(磯子区中原)のサービスを知った。同社が運営するセレモホール金沢文庫の梅村篤史支配人に話を持ちかけたところ快諾してくれたという。梅村支店長は「喜んでいただき嬉しく思う。地域に根差した業種なので、地域貢献はなくてはならないという考えがある」と話す。
アピタ閉店後の不安
バスツアーは当初10人程度の参加だったが、回数を重ねるごとに徐々に増加。決定的だったのは、最寄のショッピングセンター・アピタ金沢文庫店の閉店だった。「最も近いスーパーでも徒歩で40分はかかる。宅配サービスの利用者も多いが、やっぱり買い物を楽しみたい女性は多い」と原会長は話す。
ツアーは今後も継続して行っていく予定。「横浜セレモさんとの兼ね合いもあるが、可能であればツアーの回数を増やしていきたい」と希望を話した。
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