9月5日付で金沢警察署長に就任した 岡 洋一さん 金沢町在住 59歳
「率先垂範」自ら体現
〇…「力なき正義は正義にあらず」――着任の訓示で述べたのは自身の信念。正義を体現し犯罪を検挙するためには、体力と知力を兼ね備えていなければならない。だからこそ日々の研鑽の必要性を説く。「署員全員がこういう気持ちでないと平和な町はつくれない」。金沢区の治安を守るため「署員と一緒に全力で頑張る」と意気込む。
○…所属した部署の中で、「一番性に合っていた」と振り返るのは計6年間過ごした管区機動隊。三里塚闘争(成田闘争)やデモに対応し、現場で経験を積んだ。「瞬時の判断やリーダーシップが必要とされる場。経験が生きた」。出動すれば、盾や防具の鉄板など合計20kgほどを身に着けて走らなければいけない。さらに24時間いつでも対応できるよう、バスの中で休息する時も装備を解くことはない。過酷な現場にも「職務を全うするのは当たり前」とさらり。「自分がやっていないと、他の人に『やれ』とは言えない。率先垂範を旨としていた」と話す。
○…戸塚区出身。父親は神奈川県警の警察官だった。大学時代には、すでに警察官になることを決意。空手部に入り、体を鍛えた。「だれかのため、正義のために命をかける。やりがいのある仕事だと思った」。そんな親のうしろ姿を見て成長した息子も今では警察官に。「自分から声をかけ、アドバイスをすることはない」というが、時折、参考になりそうな本を買い与えることも。「率先垂範」を貫きながら、厳しく温かい眼差しを向ける。
○…現在は金沢署から徒歩10分の官舎に住む。「街を少しでも早く知るため、毎朝コースを変えて歩いている」。通勤途中でも気になるのは、横断歩道や信号機の不備。「前にいたのが交通規制課だったから、つい目がいってしまう」と笑う。時間に余裕ができれば、区内の寺や仏像を見てまわりたいとも。「鎌倉は隅々まで行ったけど、金沢区はまだまっさらなんです」
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