関東学院六浦中学・高校の生徒10人が昨年12月22日から7日間、カンボジアを訪れ教育ボランティアを行った。現地の小中高校生らと交流する中で、貧富の差や内戦の影響を肌で感じ異文化理解を深めた。
現地での交流や実体験を通し、必要な国際的支援の考えや異文化理解を養う目的で実施。同校初めての取り組みだ。参加者は中学から高校までの10人。昨年11月からボランティアの準備を進めてきた。「小学生の時にタイに行ったが、奉仕の意味をあまり考えられていなかった。校訓の『人になれ 奉仕せよ』を捉え直そうと思い参加した」と話すのは一宮まりあさん(高2)。メンバーと登校時などに全校生徒に呼びかけ、現地の子どもに贈る文房具の寄付を募った。また、日本文化を伝えようと、けん玉や折り紙など日本の遊びを紹介する企画も進めた。
問題意識を宿す
「学校は窓や照明がなく、グラウンドも整備されておらず驚いた」と話すのは落合元浩さん(高2)。現地で日本語教育を行う機関の協力を得、小中高校それぞれを訪問し授業を支援。小学校では体育の授業がない現地の子どものために運動会を開催した。クリスマスにはサンタクロースの衣装で文房具を届けた落合さん。「仏教国なので最初は戸惑っていた」と振り返る。「でも交流を通し、怖いイメージをなくすために笑顔で話しかけることが必要だと気付いた」。メンバーは言葉が思うように通じない中で、積極的に心を開いて交流する重要性を知ったという。
「ただ貧しい国だと思っていた」と2人は口を揃える。意識が変わり始めたのは、首都プノンペンから離れたプノン・ダ遺跡を訪れた2日目。「現地の子がガイドをしてお金を稼いでいた」と一宮さん。落合さんは「学校の窓の外から授業をのぞいている子どもがいた。学校に行けない子もいて地域で差があると知った」と話す。生活レベルの差や、子どもの置かれた現状を目の当たりにしたことがメンバーに衝撃を与えた。一方で「小さい頃から看護師になろうと語学を学ぶ子に会うなど、頑張ってのし上がろうとするパワーを感じた」と落合さん。現地に行くことでしか得られない側面も見つけた。一宮さんは「物がなくても心が豊かな人たちもいる」と感想を話した。
また、大型商業施設と市場の格差や、過激な共産主義を進めたポル・ポト政権の爪痕などを肌で感じ問題意識を強めたという。「現地の子たちの笑顔を見て何かしたいと思った。一時的なものでなく心を寄せていきたい」と一宮さんは話す。落合さんは「将来は農業を学び、貧困地域の食糧問題を解決したい」と熱をこめた。
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