区内の名木古木【2】 瀬戸神社「クスノキ」 古代から崇められた神木 日本自然保護協会自然観察指導員金子昇(富岡西在住)
クスノキの名木古木は瀬戸神社、東光禅寺、龍華寺で指定されています。古くから神木として神社に植えられ、大切に管理されてきました。そのため巨木化し全国各地で天然記念物に指定されることが多くあります。古事記や日本書紀にもよく登場します。徳島県では、2万5000年前のクスノキの植物遺体が発見され、その頃も日本に存在していたことになります。
日本では古来より、クスノキから樟脳(カンフル)を取るために広く栽培されてきました。現在では副作用が大きいため、内服薬や注射には使われていませんが、神経痛、打撲傷、皮膚病、しもやけなどの外用薬としては利用されています。このように樟脳を作る「薬の木」からこの名があります。樟脳を取った後の物を樟脳油といい、再蒸留され、防虫剤や香料として再利用されています。また木材としても丈夫で美しく、加工しやすいので、建築、楽器、船、彫刻などの材料に使われています。
春先の新芽は赤く柔らかい葉を広げ、遠目にも美しく彩ります。これは若い葉を紫外線から守るため、この時期に赤い色素ができるのです。初夏に黄緑色の目立たない、小さい花を咲かせます=写真下。葉はクスノキの仲間に特有の3行脈で、3本の葉脈の接点に小さな膨らみが見られ、そこにダニが寄生しています。
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