開館35周年を迎えた金沢図書館の館長を務める 石田 勝行さん 旭区在住 57歳
人輝かせ、自分も輝く
○…節目の年に館長に就任した。「久しぶりに戻ってきたという感じ」と笑みがこぼれる。中央図書館に勤めていた20年ほど前、海に近く歴史的資源が豊富な地に憧れ暮らした金沢区。今度はその魅力を区民に伝えたいと願う。「まずは本を好きになってもらいたい。そして本を通してつながり、金沢を好きになってほしい」
○…静岡県生まれ。大学進学と同時に移った横浜で市職員に。仕事で地域に関わる傍ら、自身もボランティアとして新しい街である横浜北部の文化振興に奔走した。「30年ほど前の当時は文化施設も整っていない時。地域の人々と音楽会や演劇などのイベントを企画した」。後押ししたのは、0から新たなものを生み出す”熱”。当時声をかけあった言葉が「人も輝き、自分も輝く」。皆が目標に向かって輝くパワーを大切にしたいと、今も信念に持つ。
○…昨年まで館長を務めた港北図書館では4年がかりの構想を形にした。「図書館は無料で本を借りられる場だけではなく、地域の情報拠点でもあるべき。生活に役立つ本はたくさんある」。耐震工事を機に一部リニューアルを図り、職員らと話し合いを重ね地域マップや観光本などを置く地域情報コーナーを新設。子育てや医療など地域課題解決をテーマに、書籍などを集めたブースも拡充した。利用者は徐々に増え、子育てや医療の分野の貸し出しが増加。「新しい知識の触れ合いが生まれ、様々な形で使ってくれるようになった」とおだやかに笑う。
○…「郷土やゆかりのコーナーがあるのは金沢だけ」と熱を込める。港北で築いた地域情報拠点の機能をすでに持つ金沢図書館に期待を寄せる。また、2つの大学をはじめ図書コーナーを持つ施設と連携し、本への親しみや地元の魅力に触れるきっかけづくりを進める予定。趣味の街歩きを生かし、自身も歴史や文化をめぐり深めていきたい。「読書を通して生活が豊かになれば」と思いを込めた。
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