野島公園内にある「津波避難施設」を使った避難訓練が、6月13日に行われた。3月の完成以来、初めての実施。参加者は避難経路や、車いす利用者がスムーズに上れるかどうかの確認を行った。
避難訓練は野島町内会が主催。金沢区役所や金沢消防署、金沢警察署などが協力し、同町と乙舳町の住民合わせて200人以上が参加した。
午前10時、野島にある2基の津波警報伝達システム(屋外スピーカー)から訓練用のサイレンが流れると、自宅等で待機していた住民は施設へと向かった。
津波避難施設は海抜6mの高台と、そこへ上る階段、スロープからできている。参加者全員が高台を上りきるのには約20分かかった。目標を10分上回ることができたという。
今回は車いすの利用者がスムーズに上れるかどうかの確認も行われた。車いすに乗って参加した川島綾子さん(80)は「特に不便さは感じなかった。ふだん歩行器を使っているが、このような施設ができ、安心している」と話した。
「さらに迅速」目指す
野島地区周辺は、津波の到達高さが最大で4・9mと予想されている。
野島山へ登れば被害を逃れることができるが、登山ルートは2つのみで、うち1つは急な階段を上る必要がある。野島の住民の4人に1人は高齢者で、足の不自由な人や、車いす利用者らの迅速な避難が不安視されていた。
野島には約2500人が住んでいる。潮干狩りやバーベキュー客がいれば、倍以上に膨らむこともある。
避難施設の収容人数は100人。施設の高台からはさらに野島山へ登る階段が続いている。野島町内会の原一義会長(72)は「施設の収容人数は限りがある。万が一の時には、(足の不自由な人を)手助けしながら山の上へ登ることも必要」と話す。
同町内会はさらに迅速な避難ができるよう、今後も年2回程度、訓練を継続して行うという。
野島とともに建設が予定された柳町の津波避難施設は、今年度中に完成する予定だ。
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