金沢区は今年度から、富岡小学校を舞台に、学校と連携した高齢者の新たな活躍の場づくりを始めている。これは横浜市が進める「地域におけるシニアパワー発揮推進事業」のモデル事業。6月23日には初めて、高齢者と小学生が共同で活動を行った。
「富岡小学校の花だん応援隊」としてこの日集まったシニアボランティアは20人。小学3年生の約90人と一緒に、校舎裏にある花だんに花植えやコスモスの種まきをして交流を深めた。
児童からは「地域の人と楽しく行動ができた」「花が咲くのが楽しみ」という感想が挙がった。メンバーで富岡西部町内会の斉木教之会長(71)は、「子どもも我々も熱心になれる。多くのシニアの人に参加してもらい、地域と関わるきっかけになれば」と話す。
活躍の場が健康維持に
2025年には4人に1人が65歳以上になると見込まれる横浜市。高齢化が進むにつれて高まる健康リスクを見据え、高齢者が健康で自立した生活を長く続けるために地域内で活躍できる場をつくることが同事業の目的だ。
「手入れの行き届いていない花だんを整備したい学校側と、児童と高齢者の交流で健康づくりやひきこもり防止を目指したい富岡地域ケアプラザのニーズが合った」と話すのは、区福祉保健課事業企画担当の石井正則係長。高齢化の進む富岡地区ということもあり、同事業の目的である高齢者の生活自立や健康維持につながるのではと、花だんの世話を通じたモデル事業を進めることになったという。また、副次的に「地域活動の担い手の発掘・育成や、子どもと顔見知りになることで日常的に見守り合う関係をつくることができるのでは」と期待を寄せている。
同ケアプラザを花だん応援隊の受け付け窓口にし、地域ぐるみの体制を整備。学校区である富岡第二、三地区へ参加を働きかけた。4月後半には、集まった17人で花だんを耕し、植物を育てられる状態に。5月には児童らとの顔合わせを済ませた。「花だんの世話を中心に月1度の活動を続けていきたい」と石井係長。このほか交流の機会を増やすため当番制で毎日の水やりも行っていく予定だ。
また、高齢者にどのような影響があるのか効果検証も進める。「第三地区は15年後には高齢化率が約33%になると見込まれる。若い層と関わりのない高齢者も増えると思うので、見守り合う関係が長く続いていけば」と石井係長は話した。
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