金沢消防署は1月1日、区内で2015年中に発生した救急件数(速報値)が9871件だったと発表した。昨年より184件増え、過去最多を更新。同署は、より効率的な救急搬送のため、「予防救急(※)」の普及を中心に、様々な取り組みを行っている。
区内の救急件数は08年の7815件以降毎年、平均で約300件ずつ増加している。過去最多となった昨年は、1日あたり27件の救急出場があった。
金沢消防署は件数が増加している主な原因を「高齢化」と分析。市内の救急件数をみると、65歳以上の高齢者の割合は11年で49・9%だったが、14年は54・0%に上昇している。熱中症などの症状にかかりやすい高齢者の割合が増えていることが原因だ。
さらに高齢者の搬送は時間がかかることが多いという。同署担当者はその理由を「高齢者は容態が悪くなってから救急車を呼ぶ傾向がある。容態が悪いほど処置や病院選定にも時間がかかる」と説明。背景には、高齢者は体調の変化に気がつきにくいことや、救急車を呼ぶのをためらうことなどがあるという。
「予防救急」普及へ
同署は現状をふまえ、「予防救急」を知ってもらおうと、広報を行っている。
区内の自治会や町内会、福祉施設へ季節ごとに訪問。夏は熱中症、冬はインフルエンザなどテーマを変え、予防救急の方法を伝えている。またケガが発生しやすい場所やケースを細かく記載した「ケガの予防対策」というパンフレットを配布し、呼びかけている。
電話相談 全年齢対象に
市は、あす1月15日午後6時から、救急時の相談ができる「救急電話相談」ダイヤルの対象を、小児から全年齢に拡充する。看護師が症状に基づき緊急性や受診の必要性をアドバイスするほか、受診可能な医療機関を案内する。電話番号は同日時から変更。変更前は「♯7499」、変更後は「♯7119」となる。
また市消防局は「横浜市救急受診ガイド」というサイトを14年12月に開設。表示される症状の種類や程度を選択していくと、救急車を呼ぶ必要があるかどうかの診断や、応急処置の方法などを表示する。同サイトはパソコンやタブレット端末、スマートホンで閲覧できる。
※予防救急…救急車が必要となる病気やケガを、未然に防ぐための取り組み。
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