がけ防災工事のため片側通行規制されていた市道谷津第395号線(金沢区柴町)。1年以上の期間を経て、きのう20日午後3時から工事以前と同じ対面通行が可能になった。これで横浜市内25カ所で行われていた道路のがけ防災工事が完了したが、一方で、市が進めるがけ地現地調査では民有地内の立ち入り拒否などで中止になるケースも相次いでいる。
金沢土木事務所は破片落下の危険性などを考慮し、2014年10月に片側車線を規制。柴口の市道に隣接したのり面に施工された保護のコンクリートは、30年以上が経過し、最近では劣化やはく離、ひび割れが確認されていた。昨年8月にコンクリート吹付け工事が始まり、2519平方メートルに渡る再施工が完了した。
横浜市道路局は、14年8月の広島土砂災害や、同年10月に緑区で起きた台風の被害などを受け、道路がけ防災工事に着手。同年12月の補正予算で市内25カ所の工事費を計上し、金沢区では柴町を含めた2カ所が対象になった。高舟台の道路では、落石防護柵が設置された。
同局は1986年に制定された「道路がけ防災工事実施基準」に基づき、主に崩れたあとの対策工事を行ってきた。しかし、該当道路には民有地も多い。「基本は所有者が整備するはずだが、実施困難な場所も存在する」と同局担当者。「だが、緊急輸送路などの重要道路で崩れると市民の生命や財産に危険がある。安全性を確保する必要があった」と話す。そのためこの基準を昨年見直し。重要道路は民有地でも、市が点検結果に基づき予防対策を行うなどの内容に改訂した。
調査中止100件以上
一方で、市建築局が昨年1月から実施するがけ地現地調査では、敷地内への立ち入り拒否や土地所有者不在のため調査が行えないケースが相次いでいる。
市は民間業者に委託し、崖地の正確な高さや傾斜角、湧水の有無など約20項目をチェックし現状を把握。危険が見つかれば土地所有者に対策を促すなどしている。だが昨年10月末までの10カ月間で実施された2850件の調査のうち、3・5%にあたる100件が拒否や不在で中止になった。
今回の調査は法律に基づき指定されている土砂災害警戒区域内にある崖地の状態を市が独自に把握し、避難勧告対象区域の選定の材料にする意味合いも持つ。市建築局建築防災課では「調査に強制力はないが、避難勧告の優先順位などを決める材料にもなる大切な調査。土地所有者にはぜひ協力してほしい」と話した。
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