経済的な理由などで自宅生活の困難な高齢者が入所対象となる養護老人ホーム「野庭風の丘」が野庭小学校の跡地(野庭町631)に開所した。2月10日の開所式では、多目的ホールなどの施設が披露され、今後は地域住民向けにも開放していく予定だ。
養護老人ホームとは、経済的な理由や環境上の理由により自宅での生活が困難な65歳以上が入所対象となる施設。「特別養護老人ホーム」(特養)と異なり、介護認定は必要でないが、市民税非課税か生活保護受給者であることなどが要件。市町村の審査・判断で入所の措置がとられる。
野庭風の丘は横浜市内で7カ所目、南部地域では初の養護老人ホーム。設置主体の社会福祉法人「神奈川県匡済会(きょうさいかい)」(渡邊俊郎理事長)は、市内で1963年からすでに養護老人ホーム「白寿荘」(泉区)の運営実績がある。
施設の定員は120人で、そのうち80人は横浜市名瀬ホーム(戸塚区)の建替えに伴う転居受け入れ。市内全体では定員628人に対し、入所者は401人にとどまるが、「定員は相部屋も含めたもの。実際には相部屋の難しいケースも多く、事実上は満室状態」と市健康福祉局の担当者は明かす。高齢化や、DVなどの急な入所ニーズに備えるためにも「市全体で500人前後を受け入れられる体制を整える」と方針を述べた。
10日の開所式には、市健康福祉局の鯉渕信也局長や県議・市議らが出席。渡邊理事長は、「入所するのは大変な苦労をしてきた人たち。これからの大切な時間を安全で快適に過ごしてもらいたい」と思いを語った。
また当日は施設の設計・施工に関わった奥野設計、キクシマ、川本工業に、渡邉理事長から感謝状が贈呈される場面もあった。
地域開放スペースも
施設には189平方メートルの多目的ホールや地域交流室2部屋などのスペースを備え、今後地域向けに無料で開放していく方針。見学もすでに受け付けている。施設長の西森秀治さんは、「安全で快適な施設にするのはもちろん、地域との関係を大事にして愛される施設づくりを約束します」と話した。
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