神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS

グランドスラム出場を目指し、今月スペインのテニスアカデミーに入門する 市川 誠一郎さん 釜利谷東出身 31歳

公開:2016年4月14日

  • LINE
  • hatena

「成し得ないことを成す」

 ○…7年前、テニス経験ゼロの25歳が目指したのは最高峰のグランドスラム出場だった。前代未聞の挑戦だが、2014年には五輪選手発掘を目指す合同トライアウトで最終候補に。熱意に打たれた仲間の輪が広がり、支援金を得てスペインに渡る。「身近な人や店のワッペンでいっぱいのシャツを着た選手が、試合で勝ったらどんなに素敵だろう」。声援を背に「常識外れの夢」に一歩近づく。

 ○…開成中高から東京大学へ。自ら目標を定め、週間計画を立てる小学生だった。「クリアできないと嫌だった」と笑う。一度は音楽家を志すも、音楽院進学を目前に白黒つけ難い価値観に葛藤するように。ならば「勝ち負けで全てが決まる世界に身を置こう」。能力を試すため個人競技かつメジャーなテニスを選んだ。学歴に関心はない。よほど「誰にも成し得ないことを成す」ことに興味があった。

 ○…不可能と笑われようと本気だった。12時間の練習を1年続け、藤沢市のアカデミーの門を叩く。「5分で次元が違うと分かった」。テニスに人生を捧ぐ実力者が集う場。1年努力した素人などあり得ないが「ジュニアに良い影響を与え得る」と入門を許可された。誰よりも早くコートに行き、誰よりも遅くまで練習。合間のアルバイトで食いつなぐ。だが、数球打っては怒号を浴びる日々が3年続いた。「本当にだめなのか」。そんな心を救ったのが2歳下のコーチ。誰もいない山奥のコートまで2人、原付を走らせる。雨の日も休みの日もつき合い、長い愚痴に耳を傾ける。「ただ、僕に上手くなってほしいと言うんです」と声を詰まらせる。

 ○…光が見え始めたのは約1年前。0勝だった国内ツアーで白星がつくように。だが、目標はさらに上。「感謝している人のために勝負にでないと」。昨年末、渡西を決断した。未熟だが築いてきた土台がある。「才能もない、始めた年も遅い。でも努力で切り開ける。示せるのは自分しかいない」

金沢区・磯子区版の人物風土記最新6

中村 高久さん

磯子警察署の署長を務める

中村 高久さん

磯子区在勤 56歳

4月18日

浅原 誠治さん

4月1日にオープンした多目的アリーナ「横浜BUNTAI」の館長に就任した

浅原 誠治さん

中区在勤 52歳

4月11日

奈良 安剛さん

関東学院大学サッカー部の監督を務める

奈良 安剛さん

鎌倉市在住 41歳

4月4日

佐伯 隆道さん

金沢区佛教会の会長を務める

佐伯 隆道さん

金沢区富岡東在住 54歳

3月28日

境 領太さん

3月14日、都内開催の「起業家万博」で関東代表としてビジネスプランを発表した

境 領太さん

磯子区在住 39歳

3月21日

橋本 麻也加さん

根岸地区センターでマリンバの演奏を披露した

橋本 麻也加さん

磯子区中原在住 30歳

3月14日

あっとほーむデスク

  • 4月18日0:00更新

  • 4月11日0:00更新

  • 4月4日0:00更新

金沢区・磯子区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月20日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook