神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS

10周年を迎えた浮雲俳句会の主宰で、金沢区俳句協会の会長も務める 北野 清市さん 能見台在住 86歳

公開:2016年6月9日

  • LINE
  • hatena

17音で綴る生きた証

 ○…2008年、金沢区生涯学習”わ”の会に「俳句の分科会やってくれないか」と乞われ、浮雲俳句会の主宰となった。当初は会員の多くが初心者。季語がなかったりと、俳句の体すら成していない句も。それでも句会の時間の半分を費やし、丁寧に基礎を教え込んだ。そんな積み重ねで、今や区内の他団体と肩を並べる存在に。このたび同会は、その足跡を一冊にまとめた「十年の歩み」を発刊した。「何年たっても記憶として残るのが俳句の良さ。生きた証の17音になる」と力を込める。

 ○…「花吹雪 からだに浴びて ポトマック」。1990年、アメリカ東海岸を旅した時のこと。それまで俳句など詠んだこともなかったが、言葉が自然にあふれてきた。「尾崎行雄の贈った桜を米国人みんなが眺めている。ビデオや写真では到底表現できない心象だった」と振り返る。その後、5つの俳句結社に所属し、研鑽を積む。12年には「俳句読本」を上辞した。

 ○…警察庁のキャリア組として、北は青森県から南は熊本県まで、13都道府県に勤務した。「引っ越しは26回」という妻の言葉に「そんなにあったか」と苦笑い。だがそれぞれの地域での生活・経験が地域の風景を詠む「ご当地俳句」の血肉となった。群れをなして飛び立つ熊本の鶴、青森のねぶた、伊豆半島の風景――「俳句と共に方々の風景がすぐに浮かんでくる」と当時を懐かしむ。

 ○…今年1月、飲んだ帰り道に金沢文庫駅前で倒れた。一過性の心不全だった。病床で感じたのは花や緑、自然の力。「人間は弱いと思った。思いやりの気持ちが芽生えました」。妻曰く、「いわゆる昭和ひとケタ生まれの男性」が普段は口にしない感謝の気持ちをにじませる。体調は徐々に回復し、100回目となった5月の句会も元気に参加した。「俳句の輪をもっと広げたい。みなさんに楽しんでもらいたい」――その真っ直ぐな思いは続いていく。

金沢区・磯子区版の人物風土記最新6

中村 高久さん

磯子警察署の署長を務める

中村 高久さん

磯子区在勤 56歳

4月18日

浅原 誠治さん

4月1日にオープンした多目的アリーナ「横浜BUNTAI」の館長に就任した

浅原 誠治さん

中区在勤 52歳

4月11日

奈良 安剛さん

関東学院大学サッカー部の監督を務める

奈良 安剛さん

鎌倉市在住 41歳

4月4日

佐伯 隆道さん

金沢区佛教会の会長を務める

佐伯 隆道さん

金沢区富岡東在住 54歳

3月28日

境 領太さん

3月14日、都内開催の「起業家万博」で関東代表としてビジネスプランを発表した

境 領太さん

磯子区在住 39歳

3月21日

橋本 麻也加さん

根岸地区センターでマリンバの演奏を披露した

橋本 麻也加さん

磯子区中原在住 30歳

3月14日

あっとほーむデスク

  • 4月18日0:00更新

  • 4月11日0:00更新

  • 4月4日0:00更新

金沢区・磯子区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月18日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook