名木古木【9】 瀬戸神社の「カヤ」 カヤ材の碁盤は最高級品 日本自然保護協会自然観察指導員 金子昇(富岡西在住)
瀬戸神社の正面左側に、立派なご神木「カヤ」=写真上=が悠然と聳え立っており、樹齢7〜800年、樹高約25m、幹回り約5mと、超一級品です。また瀬戸神社のカヤは、横浜市天然記念物にも指定されています。カヤは「榧」と表し、日本固有種の常緑高木で、雌雄異株です。寿命は長いが、材木としての価値が高いため、伐採されることが多く、巨木化しにくくなります。しかし神社や寺院、公園等の保護されている所では、成長した巨樹を見ることができます。
カヤの柾目材から作られる碁盤は、弾力性に富み、はね返りが柔らかいので、長時間碁石を打っても疲れないと言われています。樹齢数百年を経た巨木の中心部からしか取れない貴重な材のため、最高級品の碁盤と評されています。また材質は光沢があり、耐久性に富むので、床柱、浴室用材、仏像、彫刻材等に利用されます。種子は脂肪油を含み、食用油や灯油等にもよく使われ、さらに十二指腸虫の駆除にも効果があり、葉は蚊取り線香の材料にと、いろいろな用途に用いられ、利用価値が高い樹木と言えます。
カヤの語源は、枝葉を焚いて蚊遣りにしたこと、また丸太材を扱っていると体がかゆくなってくること等の諸説あります。
カヤは他に称名寺、長昌寺、朝比奈町にもあります。
次回は、「カツラ」の予定です。
|
<PR>
|
|
|
|
|
|
|
<PR>