六浦東地区の地域拠点「もりのお茶の間」(六浦東1の2の8)が11月10日、オープンした。多世代が集いやすく、地域の人々が持つ特技や強みを生かせる場をつくることで、高齢者や子育て世代の孤立解消や青少年の地域活動参加などを目指していく。
地域住民の手で、「もり」の名にふさわしい緑色に塗り替えられた2階建ての空き家――。もりのお茶の間は、軽食やランチを提供するサロン事業、高齢者や子育て支援や防災ボランティアを行う支えあい事業、地域住民の手作り品の販売や集いの場を提供するレンタルボックス・貸しスペース事業、地域の人々が講師となり、大人の生涯学習や児童生徒対象の塾を開くスクール事業の4本柱で運営される。10日のオープニングセレモニーには國原章弘区長ら約100人が参加した。國原区長は「地域や大学、小学校、病院、行政が一体となり、そのつながりの中でできた拠点。多世代に向けたものは少ないので、気軽に集える場として機能することに期待している」と挨拶した。
地域ぐるみで完成へ
もりのお茶の間づくりを中心となり進めてきたのが「六浦東・まち交流ステーション委員会」(岩崎建一朗会長)。同地区で20年前から始まった、住民の得意分野や特技を登録する「人材マップ」を軸に多世代が交流できる場づくりを目指してきた。今年1月に、地域の特性を生かし市民が生活環境整備を提案・遂行する「ヨコハマ市民まち普請事業」に認定。実現に向け、本格的にスタートした。
築78年、限りなくゼロに近い耐震強度の空き家から拠点づくりが始まった。同事業の助成金ではまかなえない耐震工事費は地域に呼びかけ。300万円を超える寄付が集まった。今年6月からは解体工事を開始。「畳や壁を取り払う作業に、親子や夫婦など地域からのべ400人も参加してくれた」と岩崎会長は感謝する。外壁のペンキ塗や内装工事などにも、代わる代わる地域のボランティアが駆けつけたという。「みんなの手で間に合わせることができた」と岩崎会長。住民だけではなく瀬ヶ崎小、関東学院大、南共済病院など同地区の機関も関わり、まさに「人材」が集結してできあがった。
見守りやぬくもりの意味をこめ、231件の応募のなかから選ばれた”もり”のお茶の間の愛称。「内閣府の『子供の未来応援基金』の対象にもなった。子どもから高齢者まで来てほしい」。拠点としてはもちろん、次世代を育む場を目指す。
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