金沢区・磯子区版 掲載号:2017年4月20日号
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大川在住山内さん 「安心の食」カフェで提供 大病経て食生活見直し

社会

真新しい看板を掲げる
真新しい看板を掲げる

 金沢区大川在住の山内麻耶子さん(37)が4月12日、ビーガンカフェ「VEGAN SWEETS & CAFE ASABA」をオープンした。動物性食品を一切摂らないビーガン。4年前に発症した白血病を機に日々の食と向き合い、「子どもが安心して食べられるものを」との思いがカフェという形で実った。

 山内さんが提供するのは、化学調味料や精製された白砂糖、卵、乳製品、肉、魚などを使わない食事や洋菓子。「オーガニックも譲れなかった」。有機農法の農園から仕入れる野菜を中心に、2年前から氷取沢と朝比奈に借りている畑で育てた季節の野菜も取り入れる。看板メニューのケーキは卵や砂糖を使わないため、アレルギーを持つ子どもや乳腺炎を心配する妊婦から開店を待ち望む声も寄せられていたという。「お母さんや小さな子どもに安心して来てほしい」と話す。

「気持ちに張り合い」

 2013年に襲った白血病が、山内さんの生活を一変させた。「糖質や脂質など、治療のために食事が制限された」。食に気を使う生活で気付いたのが、いかに化学調味料を多く摂取していたということ。「無菌室の外に出たら絶対に食べない」と誓い、7回の入退院を1年ほど繰り返した。

 闘病生活のなか、調子が良くなれば味噌や梅干し、ビーガンケーキなどを一から作るように。長女が通うアート教室「アサバ・アートスクエア」(金沢区金沢)併設のカフェで、週1度ほどケーキを焼き始めた。「何もできない時に『できる範囲で』と言ってもらえ、気持ちに張り合いができた」。やがて子どものアレルギーで悩む母親の間で評判に。「食べてくれる人がいるなら」と一念発起し、ナチュラルフードコーディネーターの資格も取得した。

家族の応援 力に

 昨年6月には抗がん剤治療を終了。その数カ月後にカフェが閉店すると知り、「いつかは自分の店を」と抱いていた夢をその跡地で実現させた。背中を押したのは、「やってごらん」と店を託してくれたカフェの元仲間や家族。「現在15歳の長女は家事全般を引き受け、下の2人は食べて応援」と笑う。13歳の長男は、薬の副作用であいまいになった舌がわり。「味覚が良く、おいしいと言ったものは間違いない」と信頼を寄せる。

 将来は敷地内に畑を設けることが目標。無農薬の野菜を育て、食べる体験を子どもに提供したい。「生きているのが不思議。やり残しのないよう1日でも長く生きたい」と素直な気持ちを話す。「自分が救われたように、不登校や育児で行き詰る人など悩みを持つ皆が集まる場になれば嬉しい」
 

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