京浜急行電鉄株式会社と富士通株式会社は1月25日から金沢区の富岡・能見台エリアでIoT技術を活用した街なか見守りサービスの実証試験を開始した。試験に協力するのは、地元住民約10組。沿線の住環境向上を目指し、サービスの有効性を検証する。
実証試験は、富岡・能見台エリアに住み、高齢者のいる家庭約10組の協力を得て実施される。見守り対象者には電波を発信する小型のビーコン端末を身に着けて、2月28日まで生活してもらう。
ビーコンからの電波を受信する定点レシーバーは、京急富岡駅、能見台駅、京急ストア富岡店と能見台店の4施設に設置。ビーコン端末を携帯した見守り対象者が近づくと、見守りアプリをインストールした家族らが持つスマートフォンに対象者の位置情報と受信した時刻がプッシュ送信される仕組みだ。駅改札やスーパーのレジに置かれた定点レシーバーの受信エリアは20〜30mだという。
また、街なかを走る路線バスを使った試験も併せて行う。見守りアプリをインストールしたスマホは、ビーコン端末の発信する信号を受信するレシーバーとしても機能させることができる。この機能を生かし、走行中のバスにいても、外のビーコン情報を正確に受信できるかを検証する。
日本では2035年には3人に1人が高齢者となり、一人暮らしの高齢者の割合が4割近くに達することが予測される。試験が行われている富岡・能見台は、約50年前に造成された大規模分譲住宅地で、区内でも高齢化が進む地域だ。「子どもから高齢者まで安心して暮らせる街づくりを進める必要性がある」と京急電鉄まち創造事業部の田名部美紗さんは話す。
他地域でも取組
兵庫県伊丹市は阪神電気鉄道と協働し、2016年から全国初の取り組みとして街なかに1000個のビーコン受信機を設置。子どもと高齢者を対象に地域の見守りを強化している。また関東では、JR東日本や東急電鉄などが、SuicaやPASMOのICカードを利用し、子どもの見守りサービスを展開している。
京急電鉄は試験結果を年度内に分析しまとめ、有効性を見ながら本格化へつなげたい考えだ。田名部さんは「公共施設と協力するなど、地域での取り組みを広げていければ」と話した。
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