4月から金沢消防団長を務める 野本 敏明さん 金沢区富岡西在住 63歳
強い「絆」で地域を守る
○…18歳で入団し45年。約560人の団員を率いる団長の座についた。8つある分団と本部との”顔が見える関係”が構築されているという金沢消防団で「前団長から受け継いだことが乱れないように頑張っていくしかない」と力を込める。いつ起こるか分からない大規模災害に備え、近年は消防署と協力した連携訓練も定期的に行われている。「団全体で気を引き締め、力のある組織にしていきたい」と強い決意を語る。
○…父が消防団員だったことから「自然に入っていけた」と当時を振り返る。特に力を入れたのは、市内18区の代表が日頃の成果を披露する技術訓練会。20代、30代、40代で計3回出場。大会前は仕事を終えた夜にメンバーと集まり、1年以上、練習を重ねた。「出場しない団員も訓練に付き合ってくれる。『やらなきゃ』という気持ちになった」。訓練会への出場が絆を強めるきっかけに。実際の火災現場でも「自信が持てる。大会の後は(団員の)動きが全然違う」という。
○…富岡小、西柴中出身。中学で始めた自転車競技では横須賀学院高時代に全国ベスト8に入ったことも。「自分がインターハイに出ることで部が創部された」と笑う。現在は100年以上続く建設会社の4代目として、自らも現場で汗を流す。「従業員の安全管理が大事なのは、消防団の活動と一緒」と優しい経営者の顔をのぞかせる。
○…富岡西で妻と暮らす。子どもと孫が3人ずつ、ひ孫も2人おり、皆が近くに住んでいる。「一人がうちに遊びに来るとLINEでみんなが集まってくる」と嬉しそうに微笑む。定員580人の金沢消防団では「充足率100%を何とか達成したい」という思いも。団員の絆を次世代につなげ、地域の安全を守る。
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