昨年9月に国の重要文化財に指定された帆船日本丸が2018年度と19年度にかけて大規模改修することが決まった。改修費を市民や企業から募ろうと6月13日、保存活用を促進する委員会が発足。委員会では戦前期造船の文化的価値の高い船体を保存し、インナーハーバーの観光・MICEの振興にもつなげたいとしている。
◇ ◇
発足した「帆船日本丸保存活用促進委員会」は、船体の保存活用に賛同する団体などの関係者15人で構成。委員長には横浜商工会議所の上野孝会頭が就任した。13日の委員会設立総会で上野会頭は「青少年への海洋教育としての活用やインナーハーバーの観光・MICEの拠点とすべく、商工会議所としても支援していきたい」と話し、改修費の寄附に協力を求めた。
改修は国からの補助金を活用し、ひび割れたヤード(帆桁)の交換や木甲板の張替え、鋼板などの腐食部分の修繕などを2年かけて実施する。事業費は約6億円を見込み、委員会ではそのうち3千万円を市民や企業から募りたいとしている。
1930年造の日本丸は、船員訓練船としての役目を終えたのちに、全国各地から誘致を受けるなか、83年に横浜市への引き渡しが決まった。当時は経済団体や海事、港湾などの関係25団体が「誘致保存促進会」をつくり、83万人もの署名を集め市民・企業が一丸となり誘致を実現した経緯がある。今回の改修費募集も当時にならい、市民や企業に協力を求めるため、委員会を立ち上げた。
寄附については帆船日本丸記念財団【電話】045・221・0280へ。
|
<PR>
金沢区・磯子区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|