金沢区・磯子区版 掲載号:2018年7月26日号
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〜治癒を目指し専門医の治療を〜 C型肝炎は飲み薬だけで治す時代に C型肝炎疾患啓発座談会 企画制作/株式会社タウンニュース社

社会

 国や神奈川県ではC型肝炎に関する啓発や検査、および治療の推進活動を進めてきた。C型肝炎の認知やウイルス検査の受検も増えている。しかしながら、検査で陽性と診断されながら治療を受けていない場合や、感染自体に気づかない潜在患者も多い。そこで本紙では、神奈川県内の肝臓が専門の3人の先生に、新しい治療法と治療に一歩踏み出す大切さについて話し合っていただいた。

C型肝炎とは

―C型肝炎とはどのような病気なのでしょうか。

日高 C型肝炎はウイルスの感染により起こる肝臓の病気です。日本においては1989年以前に輸血や血液製剤による治療を受けた方、特に昔は予防接種時の注射針の使い回しがあり、それが原因で感染された方もいらっしゃいます。最近では不衛生な環境で刺青やピアスの穴を空ける事によって感染することがあります。放っておくと肝硬変、肝がんになる可能性があります。日本全体が非常に高齢化しているので、昔に比べると患者さんも高齢化しています。

―自覚症状はありますか。

日高 自覚症状はほとんどありません。まれに、だるさを訴えられる患者さんもいますが、肝炎のうちは症状が出にくく病気が進行してからいろいろな症状が出てくるケースが多いです。

―国内の患者数はどのくらいですか。

日高 C型肝炎患者は全国で150〜200万人いるといわれています。人口からみる割合は、年齢によって違いますが60歳以上で2%、60歳以下で0・5%とされています。

斉藤 既に治癒された方もいるので減少傾向ではあります。

―検査で陽性と診断されても治療に踏み出せない人が多いと聞きます。

日高 家族にも知られたくないと思われている方が多くいますね。

加川 昔のC型肝炎の治療法であるインターフェロンは副作用が強かったので、そういう話を聞いて、今でも治療が困難なのではないかと思われている方もいます。

斉藤 自分は大丈夫と思っている方が多いです。自覚症状もなく、健康診断でも特別に指摘されず、陽性と知っているが受診していない方も多いですね。

―放置した際にどのようなリスクがありますか。

日高 慢性肝炎から肝硬変になり、肝がんが予想されます。肝がん患者の約60%はC型肝炎が原因です。肝炎のうちにしっかり治療すればそういうリスクも軽減できます。なるべく重症化する前に早めに受診してほしいです。

専門医療機関を受診する重要性

―専門医療機関とは。

斉藤 主には肝臓の疾患を専門に扱う病院です。

―地域の肝臓専門医のいるクリニックで検査は受けられますか。

斉藤 受診できます。他にも無料で受診できる施設はあります。C型肝炎は通常の健康診断では見つける事ができず、専門の検査が必要です。

―高齢者などで高血圧や糖尿病で、地域のかかりつけ医に通っている人はそこで診察はできますか。

斉藤 肝臓の専門外の先生を受診して「これぐらいなら大丈夫」と診断されてしまい、次のステップにいけないケースも多くあります。やはり肝臓の専門医で受診していただいた方が、正確な診断や確実な治療法を示せると思います。

―専門医療機関を探す方法は。

斉藤 神奈川県が出している肝臓手帳があります。神奈川県内の肝臓の専門医療機関がのっています。あとは肝臓学会がホームページで専門医の一覧などを出しています。ご年配の方でインターネットが苦手な人は、お近くの保健所や、地域の保健師さんに相談されると詳しい情報を教えてもらえます。

C型肝炎治療の進歩

―以前はインターフェロンという注射治療が主流だったと聞きます。

斉藤 インターフェロンは、半年間注射を打つ治療法でしたが、注射を長く打たなければいけないストレスと、脱毛からはじまり倦怠感や発熱、うつ病など様々な副作用がありました。それでも、皆さん頑張って治療を受けていましたが、特にご年配の方は治療がつらく、なかなか勧められませんでしたし、敬遠されている方が多かったです。

―現在は、新たに飲み薬だけの治療法が開発されたと聞いています。

斉藤 飲み薬だけの治療が開発されたのは2015年です。それから新しい治療法に移っていきました。飲み薬だけでも、インターフェロンを含めた過去の治療法よりも治療効果が大きく、副作用も非常に少なくなりました。初期の飲み薬は、副作用は少なかったのですが、それでも発熱や黄疸などが確認されたり、耐性ウイルスが出来てしまって、薬が効きにくくなる問題もありました。しかし、今では次々と効果の高い画期的な新しい飲み薬が開発され、耐性ウイルスに対しても強い薬も出てきていますし、副作用の心配もほとんどなくなりました。飲み薬の選択肢も広がり、腎臓が悪い方も服用できる薬なども出てきています。過去にインターフェロンの治療で効果が得られなかった方や副作用に耐えられなかった患者さんも多く治癒されています。患者さんの身体への負担も少なくなりました。

―治癒率や服用期間は。

斉藤 治癒率は約95%程度です。服用期間は3カ月程度です。薬は決められた期間きっちりと服用していただきます。お薬によっては飲み合せの悪いものがありますので、しっかりと肝臓の専門医に相談してください。

―C型肝炎ウイルスの再発の可能性はありますか。

斉藤 再感染はありえます。アメリカでは8回くらい再発、治癒を繰り返した例もあります。

―治癒してからの定期的な受診は必要ですか。

斉藤 がんができる可能性がありますので、長期経過で超音波検査などの画像診断を受けてください。C型肝炎が治癒してからも10年で3〜6%、がんになるというデータもあります。治癒したから大丈夫と思わず、定期的に受診してほしいです。

国・県の取り組み

―治療にあたり費用面などが気になります。

加川 肝炎には検査も含めて3つの助成金があります。まず初回精密検査費の助成です。自治体の肝炎ウイルス検査で陽性と分かった場合に、専門医を受診して精密検査をする費用の一部を助成します。次に治療に対する助成金として肝炎治療医療費助成があります。C型肝炎はインターフェロン治療や飲み薬の治療も助成の対象です。自己負担限度額は所得によっても違いますが、月に1万もしくは2万円です。この金額を超えた分を国と県が助成してくれます。お薬は高いですがそのほとんどが助成されることになります。また定期検査費用の助成があります。C型肝炎が治癒した方、もちろん治っていない方も含みますが、肝炎ウイルスの感染を原因とする慢性肝炎、肝硬変、肝がん患者の定期検査にかかる医療費の一部が助成されます。C型肝炎が治癒した後もがんの定期検査は重要です。そのための費用も助成される非常に手厚い助成金制度です。

―申請の方法は。

加川 肝炎治療費助成の申請は保健所にします。神奈川県では申請から約2カ月で助成が受けられます。初回精密検査費助成、定期検査助成は神奈川県に申請します。

―神奈川県独自の取り組みはありますか。

加川 神奈川県では様々の肝炎対策を行っています。その一つとして肝疾患コーディネーターを養成して、かかりつけ医、薬局、行政等に配置し肝炎について相談できない人をゼロにするという目標にも取り組んでいます。

―最後に地域の方に一言お願いします。

日高 現在の最新医療は患者さんのお身体にとっても負担の少ない治療です。経済的な面でも非常に手厚いサポートがあります。進んで治療を受けてください。

加川 検査を受けていない方、検査を受ける機会のない方、C型肝炎に感染していることに気がついていない方を、いかに治療に結びつけるかが問題です。ぜひ一度は肝炎検査を受けてください。

斉藤 家族や友人が健康診断で引っかかっているが、病院に行かない人がいれば一声かけていただけると良いと思います。

―本日はありがとうございました。
 

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