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金沢区寺前在住の田島さん 糸で医療用衣類、紡ぐ ひきこもり経て「社会の役に」

社会

公開:2018年8月30日

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各人の希望に沿ったニットを製作
各人の希望に沿ったニットを製作

 「抗がん剤で抜けた頭を襟足まで隠す帽子」「リウマチで変形した手に合う手袋」「手術痕が見えないよう、のどを覆うエプロン」――。金沢区寺前在住の田島さん(57)は、こうしたニーズに対応するため医療用衣類をニットで手作りしている。団体名には大好きなうさぎをもじり、”猫の手”ならぬ「ラビッテ」と名付けた。希望の色や素材など注文がある場合は糸代(例/帽子は千円〜2千円)のみで制作している。



 もともと美術大学で染織デザインを専攻していた田島さん。卒業後は呉服店に就職し、歌舞伎役者の衣装デザインなどを担当した。「糸から離れたくない」と編み物も独学で創作。その姿を見た夫から「やるならちゃんと学校に行ってこい」と言われ、市ヶ谷にあるニットデザインの学校で4年間学んだ。そんな中、夫が白血病を発症。夫のために編んだ帽子が、初めての医療用衣類となった。看病の傍ら同室の患者に作ったり、女性病棟でニットを教えたが、夫は15年の闘病生活後に他界。田島さんはひきこもり状態になり創作から7年間、遠ざかることになる。

 「私には編むことしかできない」と改めて思えたのは、友人の妹が喉頭がんになったことがきっかけ。放射線治療でのどの皮膚が真っ黒になったため『外に出られない』という彼女に何かしたいと、気持ちよく外出できるよう、のどを覆うエプロンを作った。素材が手術痕にあたって痛いと言われれば、裏地にガーゼを当て、ボタンは留めにくいと言われればマジックテープに。「本人とやりとりして作りあげました」と笑顔を見せる。

 空白の7年間から復活して4年目。いまだ鬱を引きずっているというが、「私は糸を触っていれば嬉しいんです」とも。「治療中、後遺症、老若男女問いません。ご希望をお伺いしてお作りしますよ」と呼びかけた。
 

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