神奈川県は9月11日、土砂崩れによって生命や身体に著しい危害が生じる恐れがあるとする「土砂災害特別警戒区域」に磯子区の98カ所を指定した。全国で地震や豪雨による土砂災害が相次ぐ中、危機感を強め、警戒を呼びかけている。
「土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)」は、土砂災害防止法に基づいてすでに指定されている区内115カ所の「土砂災害警戒区域(イエローゾーン)」の中でも、建物に損壊が生じ、住民の生命や身体に著しい危害が生じる恐れがあるより危険な区域を指す。
斜度が30度以上、高さ5m以上の急傾斜地で設定した「警戒区域」に対し、「特別警戒区域」は移動する土石の力と堆積する土石の力から算出している。
対象区域では今後、福祉施設や幼稚園、病院といった災害時要援護者関連施設や住宅分譲などの開発を行う場合に県の許可が必要になるほか、想定される衝撃の力に耐えられるよう、建物の構造が規制される。また、損壊の恐れが高い建物の所有者に対して移転を勧告することもあるという。
県は1999年に広島県で起きた大規模な土砂災害などを契機に警戒区域の調査を2005年度から実施。特別警戒区域の調査は15年度から順次進めている。磯子区は崖地での宅地開発が進んでいることから南区の138カ所とともに今回横浜市では初めて指定された。
土砂災害警戒区域の情報をもとに避難勧告を発令する横浜市危機管理室は、「避難に関してはレッド、イエローの区別はない。居住地のゾーンを把握し、レッドから外れているからと安心せず、イエローでも早めの避難を」と呼びかけている。
今回指定された詳細な区域はウェブサイト「神奈川県土砂災害情報ポータル」で閲覧できる。
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