金沢消防団(野本敏明団長)と磯子消防団(横田秀昭団長)はこのほど充足率100%を達成した。金沢は2002年以来17年ぶり、磯子は18年ぶり。市内の消防団は19年1月時点で定員を満たすことを目標に掲げており、両消防団は地元住民や大学、事業所などへの積極的な声かけで団員を増やした。
消防団の定員は条例で定められており、市内にある20団の合計は8305人。各団が管轄する地域の面積などを考慮して決められている。金沢は580人、磯子は370人。
地道な活動続ける
金沢消防団は、02年の充足率100%を機に団員が減少していた。10年は515人で88%に。こうした状況から、企業や地元住民の紹介などと並行し、3年前から年3回ほど金沢区内にキャンパスを構える関東学院大学、横浜市立大学で説明会を開催。ボランティアや団の活動に興味がある学生を中心に、地域における消防団の重要性や取り組みを周知してきた。さらに日中、活躍が期待される女性団員の増加にも力を入れた。
また、団員が指導員を務める研修会を開催し、団員が地元住民などに活動を紹介してきたことも増加につながった。
野本団長は「各分団員が町内会や各イベントなどで積極的に活動をPRしてくれた。広報委員会を設置し、団員が地道に声をかけてくれたことが実を結んだ」と話した。
最下位から目標達成
磯子消防団も01年以降団員を減らし、11年には242人で充足率が65・4%まで落ち込んだ。昨年も20団で最下位の充足率84・9%(314人)だった。このような状況を受け、磯子では昨年から「PR隊」を結成。4月から8月にかけては週末に家電量販店や商業施設にブースを設置し、地元住民などに活動を紹介してきた。さらに、各企業のお祭りや連合自治会などの集会にも足を運び、活動を周知。昨年から56人が入団し100%に達した。
横田団長は「18歳になってすぐに入団した高校生もいた。また若い女性も『興味があった』と入団してくれた。PR隊を中心に、活動を紹介することで、団に興味を持ってもらうことにつながった」と振り返る。
継続・定着が課題
今後の課題は、団員の定着だ。消防団は70歳定年制で、今年3月に定年を迎える団員がいる。両団長ともに「これからも地道にPRし団に興味を持ってもらえるようにしていきたい」と話す。また、「活動の質の向上も必要。そのために、先輩団員とともに技術向上にむけた訓練を実施し、地域防災力向上に努めていきたい」としている。
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