7月から金沢区歯科医師会の会長を務める 加藤 崇さん 金沢区町屋町在勤 56歳
「出前歯医者」の一歩先へ
○…「歯科医師会を手伝ってくれないか」といわれ18年、理事として会に携ってきた。関係した部署は地域医療や広報、学術など多岐にわたる。会長は「いずれやらなければならないだろう」と思っていた役職だ。「大学のヨット部でも医局でも主将やまとめ役だったので、苦ではない」と控えめに話す。
○…父は内科医。小さいころからプラモデルや鉄道模型など、手先を使い細かい物を作るのが好きだった。「歯科医になったのは、その延長かな」。入れ歯やかぶせ物など、細かい作業が少なくないため、「その点では向いているんでしょうね」。福島県の奥羽大学を卒業後は院に進み、大学に残って補綴科の教員となった。開業した今も月1回、新幹線で講義に行く。歯科医のやりがいを「モノとなって残ること」と話す。「歯の治療は結果が見える。患者が喜んでくれると、嬉しいと思う」
○…趣味は旅行。大学時代に旅行業務取扱主任者(当時)の資格をとり、医院の名前を「つばさ歯科」とした。「マイルを貯めて、いろいろな国に妻と行くのが好きです」。先日訪れたポーランドではアウシュビッツ収容所を訪れた。「衝撃だった。医療に携わる人間としては何とも言えない感情が沸いてきた」。「現地の文化などは実際に行かないと分からない。足腰がしっかりしているうちは見聞を深めたい」と好奇心をのぞかせる。
○…三師会で長年、訪問歯科診療の責任者を務めてきた。「出前歯医者のような診療は浸透してきた。これからはさらに高度な訪問診療に着手したい」。例えば摂食・嚥下障害の治療や障害児の口腔ケア。命に直接かかわらない歯科医療は二の次になりがちだからこそ、「今までケアが行き届いてなかった部分に目を向けていきたい」と話した。
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