金沢区六浦南在住の北田敏夫さん(84)・直子さん(76)夫妻は2010年、二人三脚で日本百名山を全山踏破した。
きっかけは、直子さんの「私たちに欠けているのは山なんじゃない?」という一言。脳裏に浮かんだのは、かつて別荘近くの蓼科山で、中学生の団体と一緒になり登ったことだった。「道中色々な話をして、楽しい記憶として残っていた」
一方、現役時代は仕事一筋で家のことはまかせっきりだった敏夫さん。定年退職を機に「これまでの罪滅ぼしに、妻のために時間を使おう」と思っていた矢先、その一言を聞いた。最初は「汚い・つらい」イメージが先行し、気が進まなかったが、登れば登るほど「今度どこ行く?」とのめりこむように。1996年、深田久弥の「日本百名山」の1番目に載っている利尻山を目指し、挑戦が始まった。
危険な目にもあった。転倒して足首を骨折したこと、下山の途中で日没になり、抱き合って寒さをしのぎ野宿したこと、急流で直子さんが流されて敏夫さんが助けたこと…。「そんな山での助け合いがあったから、優しみが出てきたのかな」と直子さん。「ありがとう」と自然に言い合える関係を築いてきた。孫から「危ない所に行かないで」と懇願され山を卒業した今、2人をつなぐ共通の趣味は卓球に。それでも絆を深めいながら、二人三脚の人生は続く。
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北田夫妻の写真展、日本百名山「夫婦で踏破」が12月までの毎週水曜日、金沢スポーツセンター内(金沢区長浜)の「ウェルカフェ」で開催されている。午前10時から午後3時30分。
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