金沢八景にある築60年を超える古民家を改装した「むべ庵」で、地元の旬の食材を使った料理を楽しむ会が11月22日に催された。主催したのは、横浜ビールの元社長で太田ハッピープランニングの現代表の太田久士さん。むべ庵を所有する佐野玲子さんは「地元の産品が地元の人に届く場所にしたい」と話す。
この日、集まったのは、食や地元産品で地域活性につなげたいと考える地元の農家や飲食店経営者、食品メーカーの担当者ら12人。料理は保土ケ谷区の懐石料理店が手掛けた。「金沢の自然の恵みを食材にし、器を含めて秋の風情を表現した」と店主の近藤恒夫さんは話す。菊や栗、銀杏など季節の食材はもちろん、地元産のしいたけや魚介も取り入れた。主催した太田さんは「地域に誇りや愛着を持ちにくくなっている今、最終的に誇りを持てるような場所になれば」と話した。
地元産を地元に
むべ庵は京急線金沢八景駅の西側に位置し、手つかずの自然が残るお伊勢山・権現山に面している。3年ほど前に借主が引っ越し、空き家に。だが、建具や柱、ガラスなど家の造りは建築当初の姿で残っていた。「日本家屋の良さの一つは再生のしやすさ。当時の雰囲気を再現し、日本の昔の生活や文化が感じられる家にしたいと改築した」と佐野さんは振り返る。
改築後、イベントを通じて太田さんと知り合い、プロデュースを依頼。今回の食事会が実現したという。「地元の人に意外と地元産の食材が届いていない」という現状に、危機感を覚えるという佐野さん。今後の活用法はまだ未定だが、「食文化の発信基地として、地元食材が地元に届くような場所にしていきたい」と話した。
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